9/30/05
Academic writingの授業に参加している某学生さんが、日本人が書いた何枚かのレポートを見せてくれた。要は
T大の英語の授業の一環で、英語で自己紹介をした物、と言うことらしい。しかし、添削するラボの学生さんは生粋の中国人。
T大の学生さんよりはまともな英語を使うにしても、アメリカ人が添削していると思いこんでいる(?)
T大の先生にとっては、詐欺同様の行為かもしれない。もっとも、多くの日本人は、英語を使う機会を増やすことが重要なので、誰が添削するかは、その後の問題になるのだろうが。
9/28/05
新学期が始まり、たくさんの学部生が大学に来るようになってからというもの、おしゃれな格好をした人の数が増えたように感じられる。逆に言えば、理系の大学院生はろくな格好をしていないと言う図式が、ここアメリカでも成り立つと言うことなのだろう。しかし、そんなおしゃれ人間を観察していられるのもあとわずか。すでに紅葉が始まっているミシガンでは、もうじき、昼間でもフリースなしでは過ごせなくなるから。色とりどりのフリース人間を眺めるのもいいけれど、私には半袖で過ごせる時期の方がありがたい。
9/26/05
件のRitaは、ミシガンにはほとんど影響を及ぼすことなく去っていったが、テレビで被害の大きかった場所を選りすぐったような映像が流されていたのが、妙に印象に残っている。あんなものばかり見ていると、Katrinaを見た私でさえ、アメリカ南部が全て破壊されてしまったような錯覚に陥ってしまう。放送されていない場所がどうなっているのか、テレビからの情報では全く分からないというのに。迫力のある映像に洗脳されないようにすることが、最近のテレビの「使用上の注意」になってしまった、と言うことなのだろうか。
9/24/05
何人かの友達から、ハリケーンRitaに気を付けてね・・・と言われた事もあり、今週は、毎晩のようにダウンタウンのバーに避難(?)していた。もっとも、真夜中にふらふらするのは"curfew"とは正反対なんだけど。そして今日は、アメフトの試合を見ながらBBQをやるけど一緒に来ない、とのお誘いが。気持ちはありがたかったのだが、若い連中と一緒に騒ぐほどの体力は、もはや残っていない。仕方がないので、適当に理由を付けて断ってしまった。あと10歳若かったら、もっと楽しい大学生活が送れただろうに(無念)。
9/23/05
最近の新聞に、アメフトのチケットがネット上で売られているのを大学が問題視している、と書かれていた。新聞によると、$60程度のチケットが、3-4倍の値段で売られているとのこと(vs. OSU だと7-8倍になることも)。試合の観戦が好きな学生に対し、学生料金でシーズンチケットを販売しているのだから、チケットを金儲けの道具にするなと言う大学側の言い分はよく分かるが、このご時世だけに、それらを取り締まるのは難しい。学生の良心に・・・という言葉は、ここアメリカでも成り立たなくなったと言うことか。
9/21/05
何を今更との感もぬぐえないが、ラボで使う研究費が毎月$12000にも上る事を知ったボスが、節約しろと言い出した。確かに、ここのラボも無駄が多いので1〜2割は削減できるかも知れないが、ようやく再稼働を始めた結晶構造解析装置の修理代に$9000も要した事を考えると、試薬代よりも装置の維持費が問題になっているような気もしてくる。無駄な支出を減らすのは当然だが、ある程度のお金がないと、成果を出すのも難しい。効率的な運営が求められるのは、道路公団や郵政公社だけの話ではなさそうである。
9/20/05
夕食を取り、店の外に出たとたん、どこからか"Hey"という声が聞こえた。薄暗くなった辺りを見渡したところ、意外にも声の主は(私がよく行く?)Brown jugでバイトをしている女の子だった。声をかけられると言うことは、私もあの店ではちょっとした有名人・・・なんて事はないけれど、こちらの店員さんは、日本の居酒屋の店員に比べると(彼らの仕事中でも)フレンドリーな人が多いのは確か。お国柄の違いか、経営方針の違いか分からないが、杓子定規の挨拶しかしないよりは、フレンドリーな方がよほどいい。
9/19/05
Katrina後の新聞を見ていたら、やはり"Sea temperatures might power stronger hurricanes"と言う記事が出てきた。過去30年間では、最近の15年間の方が強力なハリケーンが多く発生しているらしく、その事が地球温暖化と関係している可能性があるというのがその趣旨。だが、意外だったのは、これに対する反対意見もちゃんと紹介していたこと。思考停止状態に陥った日本人には「温暖化=悪」という単純な関係が好まれるのだろうが、最終判断を読者に任せたこちらの新聞は、そのあるべき姿を知っているのかもしれない。
9/17/05
某学生さんが言うには、最近彼女の車が壊れてしまったとのこと。壊れたのは、エンジンの中の一つの部品で、修理するにはエンジンごと交換、すなわち4〜5000ドルかかると言っていた。修理にそんなにお金がかかるなら新しく買った方がいい、という事は彼も認めていたが、彼のもう12年になる車(Nissan車)が未だに元気なのに・・・、と言うのが、どうにも納得のいかない点らしい。今度は、おそらく日本車にすると言っていたが、こういった事例の積み重ねが、日本車の競争力(信頼)を高めた要因なのだろう。
9/15/05
最近、何人かの学生さんから質問される事が増えたように思う。質問することが悪いわけではないが、普段あまりラボにいないくせに、発表が近くなって帳尻あわせのための相談をされても、コメントしようがない。その上、十分な基礎知識がないのに、自己流の実験ばかりしているから、得られた結果も使い物にならない・・・。2年前ならまだしも、今更英語が分からない振りもできないので、相談には乗っているけれど、ちょっと迷惑。もう少し、普段から、研究の事を考えてもらいたいと言うのが本音だろうか。
9/14/05
某新聞のサイトに、「東大教授の論文に根拠得られず」と言う記事があった。調査結果がクロじゃない限り、再実験を要請される事などあり得ないが、データの偽造と、再現性に乏しい結果を投稿する事の違いはどこにあるのだろうか。日本では、怪しいデータでも、論文数を稼ぐために投稿する人が後を絶たないが(研究倫理の欠落)、そんな論文でも数が増えれば評価されるシステムに問題があるような気がしてならない。一般的に言って、たくさんのゴミを集めても、それが使えるモノに変わることがないのと同様に。
9/13/05
Katrina体験記を見た人から様々な感想が寄せられたが、共通点をあげれば、その多くが(笑っちゃいけないと言いつつ)爆笑していた事。その一方、アメリカ人で、今回の一件を笑った人は、驚いたことに一人もいない。むろん私も、立場が変われば一般的な日本人と同様笑うのだろうが、これこそが「日本人は欧米人が決して笑わない状況下でもニヤつく」と言う、外国人には理解し難い行動の一つに相当するのだろう。他人の不幸を笑わずに済んだという意味では、Katrinaに遭遇したのが私自身でよかったのかもしれない。
9/11/05
Katrina後の米政府の対応を見ていると、アメリカの強さと脆さの両面が目に付く。石油や電力の安定供給を前提に成り立つ社会では、その前提が崩れるや否や、全てが崩壊しかねないと言うことなのだろう。さらに、こんな時でさえ縄張り争いを止めなかったように、白人が(黒人の多い)南部を重要視していない現実(差別が続いている)を見せつけられたのは衝撃的だった。Katrinaが、もしも、Bush大統領の地元テキサスを襲っていたら、彼らはどのように結束し、救援・復旧活動を行ったのだろうか。
9/9/05
久々にAnn Arborに来た知人を含め、10人ほどで飲みに出かけた。普段彼らと会うことはあまり無いのだが、私がハリケーンに遭遇したことはちゃんと伝わっていて、どうだった?との質問が。そんな話をしているうちに、店内にNew Orleansの音楽が流れてきた。結局、その音楽に合わせて踊ることになったのだが、いわゆる社交ダンスに全く縁のない私には冷や汗もの・・・。ダンスはこれでおしまいかと思っていたら、次はナイトクラブへ。踊ってばかりの一日だったが、たまにはこんな日も必要かもしれない。
9/7/05
何はともあれ、ミシガンに無事にもどった後は、いつもの生活に逆戻り。こうやって日常生活に戻ってしまうと、New Orleansではおいしそうに見えた軍用食にも魅力を感じなくなったように、人間が多分にわがままな生き物であることがよく分かる。そんな事を考えながら、家の水道の蛇口をひねったら、水が出ない・・・。一瞬、数日前のイヤな記憶が頭をよぎったが、すぐに断水通知が掲示されていたことを思い出した。免疫のある今だから、これくらいの事じゃ驚かないが、半年後に停電や断水があったら、何を思うのだろうか。
9/4/05
ようやくシカゴに到着。久々に友達と飲みに行ったのだが、「日本人はどのように英語を勉強するのか」が話題になった。英文法や和訳がメインで、英作文は少しだけ。さらに、会話の練習はほとんどない、と続けたら非常に驚いていた。確かに、和訳をいくら続けたって、会話ができるようになる理由などどこにもない。ちなみに彼女、日本人の学生が、非常にゆっくりと英語を話す理由を、ようやく悟ったらしい。でも、ゆっくり話すことすらままならない人が多い現実を鑑みれば、文科省の方針がどれほど非実用的であるかがよく分かる。
9/2/05
ハリケーン(Katrina)のおかげで、何もすることがない(と言うより、洪水のために、外に出られない)。暇をもてあましている白人の男性とちょっと話をしたら、Iowa大出身だが、ルームメイトに連れられてAnn Arbor(ミシガン)にも行ったことがある、と教えてくれた。そんな彼の今回の旅行は、息子に自分の大学を見せるためだったらしいが、ハリケーンで予定が完全に狂ってしまったとのこと。確かに、数ブロック先の避難場所(スーパードーム)にすら移動できないのだから、旅行どころの話じゃないんだけれど・・・。
8/28/05
昨日、New Orleansに到着したが、こちらにハリケーンが接近しているためか、町中を歩いていても、観光気分でふらふらしている人はほとんどいない。と言うよりも、営業している店などほとんどないので、ゴーストタウンに来た気分になってしまった。そんなさなかに、のんきに写真を撮っている私に話しかけてくるのは、ホームレスのような人ばかり。「ハリケーンが来る前に、食べ物を買いたいから$5くれないか」と話しかけてきた人もいたが、これは断固拒否。$5って簡単に言うけれど、ちょっと調子に乗りすぎているような気がしたから。
8/26/05
よく行く韓国料理屋で食事をしていたら、「日本人ですか?」と、店員さんが話しかけてきた。いつも、英語しか使っていないし、中国人には見えないだろう・・・と思いつつも、話を聞いてみると変な質問が。実は、東京に荷物を送りたいのだが、その送り先が「東京都○○市・・・△△アパートXXXX号」と長々と一行で書かれているので、どこで改行すればいいか分からないとのこと。韓国人は漢字も読めるはずなのに、とは思ったものの、確かに私にもわかりにくかった。送り先の韓国人も、実は、区切りが分かっていなかったりして?
8/24/05
何としてでも夏休みを取ろうと思い「地球の歩き方」を開いたものの、今更、計画を立てても間に合いそうな場所は、そんなに多くはない。覚悟を決めて(?)適当に場所を決めてしまったが、その後、重大な問題を発見。その出費もさることながら、普段夜型の生活を送っている私は、この数日の間に、一般人並の起床時間に適応せねばならないと言うこと。午前中に私を見かけたラボの人たちは、口々に、「なんでこんな時間にいるの?」と言うけれど、土曜(8/27)のフライトは8:40am。無事乗れるかどうか、一抹の不安が・・・。
8/22/05
某学生さんに、「日本人の3S」って何だか知ってる?と突然聞かれた。高校生の頃耳にした筑波(大?)の3Sが頭をよぎったが、一応、彼の話を聞いてみたところ、どうやら、Smiling、Silent、Sleepyを意味するらしい。確かに、相手の英語が理解できないと、分かった振りをして微笑む人は多いが、そんな人に、アメリカ人の友達ができる理由などないから、英語も上達しない。そのうち一人の世界を作り、夜更かしなんか始めちゃったら、3Sの条件を完璧に満たせそう。誰が言い出したのかは知らないが、笑うに笑えない話だと思う。
8/20/05
こちらの新聞のスポーツ欄に、新シーズンのアメフトランキング(個人予想)が載っていた。Michigan大は9位で、元旦のRose Bowlでミシガンを破ったTexas大が1位にランクされていた。この手のランクは試合ごとに変動するし、昨年の実績からすれば9位は妥当なところだが、Big Tenの他の大学が、多数25位以内に入っていたのがちょっと気がかり。宿敵のOhio St.やIowa大もがMichigan大より上位にランクされていたことを考えると、今シーズンもまた厳しい戦いが続きそう。Michigan大にポストシーズンはあるのだろうか?
8/19/05
ようやく、ラボのゼミも終了。用意したスライドが4-50枚あったので、イヤな予感はしていたが、案の定、二人分の時間枠を使い切ってしまった。つまり、もう一人の発表は翌週に順延となったのだが、一般的な日本のラボのスケジュール遵守精神(?)からすれば、こうやって、次回に先送りしてしまうのは、いい加減なやり方に見えなくもない。それはさておき、ボスに言われたのは、新しい化合物を作るのはもういいから、早く論文にまとめることを考えろ、と言うこと。個人的には、実験の方が気楽でいいんですけどねぇ・・・。
8/17/05
ラボの小物(general supplies)の管理をしていると、新しい物を率先して開封する者や、何に使うのか分からない物を欲しがる奴など、少なからず迷惑人間に出くわす。完璧な結果を求める人が、その必要性を吟味せずに新しい(or 高純度)試薬を使うのは日本でもよく見た光景だが、洗うのが面倒になると、使える物でも全て捨ててしまう人が意外に多い。ネットで遊ぶ時間はあれど、ガラス器具を洗う時間がないとは、下手な言い訳に過ぎないが、そんな彼らの行動は「本人の性格」と「国民性」のどちらに支配されているのだろうか。
8/15/05
終戦の日関連の記事が、こちらの新聞にも載っていた。"Japan's WWII cruelties still rub neighbors raw"と言う見出しから、日本が侵略の謝罪しようと、それが、相手国家に全く受け入れられていない現実がよく分かる。むろん、彼らが謝罪を受け入れる事などないだろうが、最近のちょっとした小競り合いに必ず歴史問題を絡めてくる彼らのやり方を見れば、こんな状態になるまで現実を直視してこなかった戦後の政治家も戦争犯罪人のように感じられる。保身のために新党結成、なんて脳天気なことをやっている場合なのだろうか?
8/13/05
今年も、某W大から、10数人(?)の学生+ポスドクがサマースクールのためにミシガン大にやってきた。私が以前いたラボからも、ポスドクが一人参加していたので、彼らの打ち上げにちょっと顔を出してみた。直接面識のある人はほとんどいなかったが、当時、学生実験とやらで顔を見たことのある学生さんが何人か参加していた。あの頃はしょうもない学生(?)だった彼らも、今は博士課程の学生なのかと思うと、不思議な気もするが、それだけ私も歳を取ったと言うことか。精神年齢だけは当時のままだと思うけれど・・・。
8/11/05
隣のラボの中国人の学生さんが、ここのラボの装置を使いにやってきた。測定の合間に、彼女のXin・・・で始まる名前の読み方を尋ねたら、漢字を書いてくれたのだが、日本語読みの「しんなん」は、中国語の発音によく似ているらしい。そんな雑談も、ここまではよかったのだが、その後、韓国語の読み方も中国語のそれとよく似ているから、中国はアジアの中心みたいだ・・・と言いだした。言語の伝来経路の点からすれば理解できるが、中華思想の宣伝だったら、私にとってはいい迷惑。考え過ぎだったらいいんだけれど。
8/9/05
どこかのラボの韓国人学生が、私のラボの韓国人を探しにやってきた。●●はどこにいる?って聞いていただけなのだが、応対した某ポスドク(native speaker)には、彼の英語がまったく通じなかったらしい。そんな英語が私の範囲内だったと言うことは、私の英語も同レベル、つまり理解不能でしょ?と、そのポスドクに振ったら、必死に(?)否定してくれた。まぁ、無理に否定してくれなくても、英語力のなさは自覚しているので結構。理解可能になったとしても、単に慣れたから、に決まっているので。
8/7/05
原爆の日に前後して、大学周辺に変なペイントが突如現れた。要はある種の 反核運動で、人の姿は原爆によって作り出された影をイメージしているらしい。とはいえ、唯一の被爆国・・・何て言っている 日本にだって、米軍が持ち込んだ核があるという事がこちらのアジア人留学生の共通認識になっているように、核の廃絶はおろか、拡散すら防げていない現状からすると、私には、この手の運動もある種の自己満足としか映らない。そんな事のために、道路に落書きをしないで欲しい・・・と言うのが本音なんだけれど。
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8/6/05
ラボの学生さんが、
CSSA(中国人学生会?)が企画したカンフーの発表会のチケットをくれたので、物は試しと見に行くことにした(実際は、さくら・・・)。たしかに中国っぽい、と思える演技が色々あったが、観客受けしていたのは、回し蹴りで板を割った時や、ヌンチャクや棍棒を使った演技。空手でよくやる瓦割りと同様(?)、素人にもわかりやすい物が受けるのは万国共通らしい。なお
Kendo Swordと題された演技は、日本の剣道というよりも、チャンバラのようで面白かった(やっていたのが黒人さんだったこともあるけれど)。
8/4/05
少なくとも大学内の一部は、自転車の走行も禁止されているのだが、最近、スケートボードで遊んでいる人が、警察に捕まっているのをよく見かける。本当に、切符を切られている訳ではなさそうだが、中には、身分証明書を提示させられている人もいるので、ある種の職務質問と見なせるかもしれない。個人的には、他人の迷惑にならないレベルのスケートボードなら、家でPS2ばかりしているガキどもよりよほど健康的だと思うのだが、警察が出てくると言うことは、すでにその範疇を逸脱していると言うことなのだろうか。
8/2/05
いつの間にか8月になってしまったというのに、未だに夏休みの予定が全く決まらない今日この頃。諸悪の根元は、ゼミ日程が二転三転し、私の順番が当初の予定よりも数週間順延されてしまったこと。そんな今日も、ボスが出張でいないから、再度日程変更を・・・と言う連絡が回ってきた。だいたい、今回がミシガンでの最後の夏休みかもしれないと言うのに、こんな事ばかり続くようじゃホテルの予約だってできやしない。「今年はどこにいこうか」と考える時間はたくさんあるのかもしれないけれど・・・。