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ミシガン放浪記 (2005.2〜2005.3)


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3/30/05
    今日はどういう訳か気温が急上昇。最高気温が71 F(20度くらい)という、夏みたいな陽気になっていた。そんなわけで、学内にも、露出度の高い格好をした学生さんが急増殖していた。結構な数の人たちが、芝生に寝っ転がっていた事を考えると、よほどこの日を待ちこがれていた、と言うのがよくわかる。でも、週末の最低気温はまた0度を切るようなので、夏のような陽気は今日でおしまい。早く本当の夏にならないかなぁ〜(女の子の露出度が上がるから・・・、というのが真の理由、とは口が裂けても言えない?)。

3/28/05
    以前から気になっていたのだが、アメリカとカナダのコインのサイズ(25, 10, 5, 1c)はよく似ている。某カナダ人に聞いたところ「(カナダではなく)アメリカが真似したんだ」と、冗談で交わされてしまったが、別のカナダ人に言わせると、元々はイギリスのコインだったとのこと。なるほど、大元が同じだとしたら、お互いが似ているのも納得できる。ちなみに彼、レートの安いカナダの25cが手元にある時は、コインランドリーなどのスロットにむりやり押し込んで使ってしまうとか(←厚みが若干異なるからだが、犯罪のような気も)。

3/26/05
    バーのショットメニューにある"Kamikaze"をみて、神風とは・・・と言う話をしたのだが、話が脱線しいていくうちに某アメリカ人が、米国は日本に原爆を落とす必要はなかったんじゃないか、と言いだした。戦況から考えれば、原爆投下(特に長崎)が必要だったとは思えないが、誰かがどこかで使わない限り、非核という考え方が生まれたのかどうかは、疑わしい。見方を考えれば、それだけ人間は愚かだと言うことなのだが。かくいう私も、飲んでばかりいないで、もっと実験すべきということか。

3/24/05
    今やっている合成実験。出発物質をグルコース(砂糖)共に加熱してから、塩水を加えると、目的の化合物ができあがる!最後に、酸を加えると、沈殿が生じるので、これを回収するわけだが、ここで酢酸(つまり酢)を使ったら、料理の世界で言われる(?)「さしすせその法則」と変わらないのでは、と考えてしまった(実際には、もっと強力な硫酸を使うのだが・・・)。むろん、これは特許にもなっているような、歴とした合成法だから、味を整えているわけではないけれど、たまにはこんな実験もいいのかもしれない。

3/22/05
    暦の上では春になったとはいえ、このあたりは、まだまだ春の訪れを感じさせるような物はほとんどない。事実、テレビを見ていたら、このあたりに春が来るのは4月の後半、という映像が流れていたが、4月になっても雪が舞う事を思い起こせば、おそらくその通りなのだろう。しかし、桜が咲くわけでもない(お花見ができない)ミシガンでは、春になったら何をすればいいんだ?と考えてしまう。結局、思いついたのは、オープンテラスでビールを飲むことだけ。「春=夜でも暖かい時期」とするならば、数ヶ月先と言うことか。

3/19/05
    昨日(金曜日)の夜は、バーでビリヤードをしながら遅くまで遊んでいたこともあり、今日は、夕方になってから大学に行ったところ、パソコンの上にメモがおいてあった。要は測定が終わった単結晶を机の上に置いておくよ、と言うことなのだが、「明日の誕生日おめでとう」と書き添えてあった。日本で生まれたことを考えると、前日に祝ってもらった方がいいような気もするが、週明けに飲みに行こう、とも書いてあったから、そのうち、数日遅れの誕生日を祝ってもらうことにしよう。

3/17/05
    こちらの日本食レストランで食事をすると、サラダとみそ汁が付いてくることが多いのだが、なぜか、どこの店に行っても、オレンジ色のドレッシング(ショウガかニンジンの色?)がかかっている。なぜ、どの店に行っても同じ物がかかっているのか、疑問に感じていたのだが、アメリカ人の方は、これこそ日本らしい物と考えていたらしい。事実、日本では見たこともないと言ったら、意外な顔をしていたように。でも、実際に料理をしているのは韓国人シェフ・・・、つまりあのドレッシング、韓国風味なのかもしれない。

3/15/05
    下記(↓)のような随筆を書いたからでもなかろうが、どこぞの元オーナーが「新聞、テレビ、ラジオといった高級なメディア媒体は、マネーゲームに支配されてはいけない」と口走ったらしい。なぜ「メディア媒体=高級」なのか、私には理解できないが、そんな風潮が日本にあるのは、おそらく事実。つまり、大本営発表を鵜呑みにしていた(?)時代から、社会構造のみならず精神的にも全く進歩していないのだろう。英語の発音を勉強して満足する前に、やらなければならないことは沢山ある。

3/13/05
    アメリカにいても、ライブドアvs.フジテレビのやりとりに関する噂は耳にする。ホリエモンに対する感情はさておき、後者の連中のコメントを咀嚼すると、同社のブランドイメージに、自分(社員)の価値を勝手に重ね合わせているだけのこと。これは、NBAMLBの選手が、突然のトレードの翌日から新チームのために仕事をするのとは対照的。つまり、奢りやプライドはあれど、仕事に対するプロ意識が欠落していると言わざるを得ない。新株予約権発行を差し止めた司法判断の妥当性を、そんな彼らが理解できるのだろうか?

3/11/05
    テレビを見ていたら"Flexi-Fit Lid"と言う蓋の宣伝していた。料理とは無縁な普段の私の生活の中では、活躍の場はなさそうだけれど、HP(BuyFlexiFit.com)の右上で流されているCMを見ると、なるほど、と感じさせられてしまう。つまり、発明者が誰だかは別にして、少なくとも、一見便利に見える物に対する需要があると言うことだけは確かなのだろう。なお、ライバル商品(?)の"Smart Spin Storage System"よりも優れているか否かは読者の判断に任せることにしよう。

3/9/05
    このHPを見ている人には分からないだろうが、ここのところ論文のせいで忙しい。つまり私が短期間で論文を仕上げるのは不可能と言うことなのだが、そんな様子を見るに見かねた一部の人達が「翻訳ソフトを使えば?」と言い出した。「あれは使い物にならない」とは言ったものの、なかなか分かってもらえない。比較的文法が似ている言語同士ならば、相互翻訳も可能かもしれないが、日本語と英語ではそうはいかない。だから私の英語力もいつになっても進歩しないと言うことなのに・・・(ちょっと自虐的?)。

3/7/05
    アメリカの郵便事情は決してほめられた物ではないとよく言われるが、少なくとも、一つは、いいことがある。むろん、くだらない事だが、切手を貼った郵便物をポストの前に置いておけば、配達員がちゃんと持っていってくれること。ミシガンのように、あちらこちらにポストがあるところなら、ポストに投函しに行くのもたいした手間じゃないが、アメリカ国内には「周囲数キロは私の土地」といった地域があるからこそ、こんなシステムが自然にできあがったのかもしれない。ちなみに日本でやったらなんと言われるのだろう?

3/5/05
    某学生さんが、博士課程に進むための口頭試問の練習をしたのだが、質疑応答を含めると、要したのは3時間。よくそんなに聞くことがあるなと感じるくらいの質問数だったが、もう少し意味のある質問を!というのが率直な感想か。ただ、それ以上に気になったのは、一見よくできたスライドも、通して見ると何がポイントなのかはっきりしないこと。杓子定規的なイントロや結果の羅列もいいけれど、もう少し話の筋を工夫しないと、と感じずにはいられなかった。この辺が、修士と博士の学生の差なんでしょうね。

3/2/05
    いつの間にか三月になってしまった。この時期は、spring breakのために、一週間ほど大学の授業はお休み。当然、多くの学部生はどこかに消えてしまうので、町中(に散在するバー?)も閑散としている。しかし、spring breakとはいいつつ、ここのところの天気は?と言えば雪ばかり。こんな天候の折り、春休みが来た、と実感できる人たちがどこにいるんだ、と逆に聞きたくなってしまうくらいに。この雪が消える頃に本当の春が来るとするならば、それは少なくとも数週間先になりそうな気がする。

2/28/05
    日本ではまず耳にしないVONAGEという携帯電話会社があるのだが、この会社のCM、くだらないけど笑ってしまう。スノーモビルに乗っている人がジャンプして道路を渡ろうとしたり(空中分解して失敗する)、木を切り倒す際に、せっかく切った木が、自分の車の上に倒れてしまうといった類の、オチが見え見えもの。画面の下には"Do not attempt"と表示されているが、安く作ったCMだけに、その気になれば真似できちゃいそうなのがいいところ。誰か、スノーモービルを貸してくれないかなぁ・・・。

2/26/05
    ボスに、今日までに論文のドラフトを仕上げろと言われていたけれど、仕上がらないまま期限切れ。しかし、そのボスはメルボルンから中国に行ってしまったらしいので、まぁいいか・・・(2/21参照)。さて、最近のボスを見てると、研究者と言うよりは、政治家が講演行脚に忙殺されているようにも見えるが、一部の教授は、こうして研究から遠ざかっていくのだろうか?研究費の獲得や売名行為という意味では、これも重要な仕事なんだろうが、純粋な研究だけでは生きていけないと考えると、複雑な気分になってしまう。

2/24/05
    某学生さんが言うには、今年の冬がそんなに寒くないのは津波のためだとか?確かに、昨年に比べるとあまり寒さを感じないだけでなく、テキサスなどでも雪が降っていることを考えると、例年とちょっと変わったことが起きているのも事実かも知れない。しかし、なぜ津波で気候が変わるかについては、私の理解力(=語学力)を考慮してか、説明してくれなかった。津波によって、海流の向きが乱された、というのは素人考えだが、エルニーニョ現象でも気候が変わることを考えれば・・・。

2/21/05
    とある学生さんが、ボスに怒鳴られた・・・とこぼしていた。どうやら、ボスの言い分は、「私は毎週80時間仕事をしているのに、君は何をしているんだ」ということらしい。確かに彼女、まじめに実験をしているようにも見えないうえに、来月には中間審査もあるから、(本人には言わなかったけれど、)ボスがプレッシャーをかけようとするのは当然の話。でも、そんなボスは今日からオーストラリアだとか?忙しそうなのは見ていれば分かるけれど、(海外)出張ばかりで、本当に週に80時間働けるのだろうか?

2/19/05
    某ポスドクと、アメリカの飯はまずいという話をしていたところ、最後は、きれいなお嫁さんにご飯を作ってもらえばいいのでは、という方向に話がすすでしまった。アメリカ人は、時に人間とは思えないほど巨大化しているから・・・、と言ったら、彼曰く、LAの方がスリムな人が多いとのこと。ただ、この辺にも、太った人とつきあっている人はたくさんいるよね?と窘められてしまった。とっさに、"Tastes differ"と言い返したら、大笑いしつつも納得してくれた。彼にとっても、やたら太った人は範囲外だったらしい。

2/17/05
    今年に入ってから、ラボのゼミが発表10分+質問5分という学会のような形に変わった。以前の、各自の持ち時間が1時間というスタイルと、どちらが好ましいかは、ラボ内でも意見が割れているが、個人的にはこの方法、新しい結果が知りたいというボスの欲求を満たすための物にしか見えない。事実、今日の私の発表の時も、有益なコメントは皆無だったから。ポスドクなら、自力で研究を進めるのが当然だろうが、準備するにも時間がかかるだけに、何かを得たいと思うのは贅沢だろうか?

2/15/05
    A新聞の社説に、地球温暖化を防ぐための京都議定書が、16日に発効・・・と書かれていた。一見、CO2の総量が削減できるかのように謳ったこの取り決めも、実際は、年間放出量をたったの数%減らせと言っているだけだから、CO2の総量が増え続けることに何ら変わりはない。つまり、100年後に来るかもしれない危機が数年間先送りされる程度のものA新聞が問題視したアメリカの脱退こそ妥当な判断で、日本のお役人は算数ができないことを世間に示しただけの議定書を批准する理由など、どこにあるのだろうか。

2/13/05
    ここ数日、疲れているからなのか、噛み慣れたガムの味が変わったような気がしていたが、やはり、勘違いではなかったようだ。いつも噛んでいるガムはWRIGLEY'S Eclipseの緑色のパッケージなのだが、今回中に入っているガムの味は、どう考えても青い方の物。つまり、青いパッケージに含まれるべきガムの一部が、緑の方に混入した模様(ガムの外観からは区別できない)。こんな事が日本で起きたら、自主回収されるのかも知れないが、アメリカだったら・・・、きっと、笑っておしまいになりそう。

2/11/05
    久々に髪を切りに行ったら、意外にも、美容師さんに「前にも来たことある?」と聞かれてしまった。どうやら、私が何度か利用したことを覚えていたらしい。もちろん、だからといって突然サービスがよくなったり、何も言わなくても前回と同じように切ってくれるわけではない。さらに、耳は出すのか、とか、もみあげはどうするのか、といったことを聞かれたが、これまた、その通りになったような気はしない。結局、アメリカの美容室の利点は、髪を洗わない分だけ短時間で終わること、だけなのかも知れない。

2/9/05
    こちらの大学では、教授の誕生日にちょっとしたイタズラ(?)をする学生がいるようで、40歳の誕生日を迎えた私のボスにも、変な贈り物が。朝、ガラス越しにボスの部屋の方を見たら、40」と書かれた紙が、黒い風船と共に浮かんでいた。よくよく聞いてみると、明かりのついた彼の部屋からよく見えるように、何人かの学生さんがセットしたとのこと。日本だと、教授が誕生日を迎えても特別な日として扱われることはほとんどないが、こんなアメリカの文化を輸入してみるのもいいかも知れない。

2/8/05
    この辺には、たくさんの野生のリスがいるが、時に彼らの行動は理解に苦しむ。枝だけになった灌木を無意味に登り降りしている姿なんてかわいい物で、この間は、電線を綱渡りしているリスもいた。もちろん私には真似できない芸当ではあるけれど。と、そんな話をしていたら、某学生さんが、人間の捨てたタバコを吸っているリスを、何かの写真で見たことがある、と言っていた。好奇心が旺盛なのと、人間慣れしている事を考えれば、確かにあり得ない話じゃないかも知れないが、これもまた、認めたくない行動には違いない。

2/6/05
    今日の夕方はSuper Bowl XXXIXがあるから、早く帰ってテレビを見ようと思っていたが、そうは問屋がおろさなかった。そろそろ帰ろうかと思っていた矢先、日本から「○○をお願い」という内容のメールが届いた。その仕事、基本的に、短時間で仕上げて送り返すというのが「お約束」のため、結局、Super Bowl観戦は夕食を取りながら、近くのレストランで見た約30分でおしまい。その間に3度のTDを見たという意味では、比較的密度の高い時間帯に遭遇したといえるが、日本からのメールに、こんな形で悩まされるとは・・・。

2/5/05
    大学(学科)のMLのメールは、得てしてまじめに読まないことが多いのだが、何気なしに、数日前のメールを見返したら、"** CRIME ALERT **"なんて言うタイトルのメールが紛れていた。手短に言えば、午前2時頃に、拳銃を持った黒人3人組の強盗が出現した訳だが、夜型の生活を送っている私なら、遭遇してもおかしくない時間帯。Ann Arborは総じて安全な街だと考えていたけれど、安全に絶対はないので、気をつける必要がありそう。物好きな方はこちらを参照してください。

2/3/05
    ちょっと前(11/15/04参照)に見つけた日本料理屋の前を、久々に通ったら「For Rent」の看板が出ていた。ラボの某学生さんの「あそこはまずい」と同様、ほかの客も似たような評価を下したらしい。学生が多いから、安さで勝負したようだったが、結果的には、不十分だったのだろう。でも、こちらのアジア系レストランは、総じて高い割においしくないが、雰囲気さえよければ、それなりに客が入るのも事実。成功させたかったら、味は二の次で、高級感のある店を出すといいのかもしれない(誰か挑戦しませんか?)。

2/1/05
    昼食時に、どこかの省庁から派遣されて来ているという感じの人たちの会話が、耳に入ってきたのだが、その内容(政治や経済について)が、日本に住んでいる人々のそれと大差なかったことに愕然としてしまった。海外で勉強しているなら、もう少し違った意見も出てくるものと期待していたが、お役人の能力とはこの程度なのかもしれない。ならば、机上の知識を豊富に備えたはずの霞ヶ関の人々が、得てしてろくな事をしない理由もよく分かる。近い将来、日本に住むことの利点が、日本語が使えることだけにならないといいけれど。

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