KACST へ出張
UCBがサウジアラビアで共同研究を始める事になりました。本来の目的は同意書にサインをする事だったのですが、私も顔合わせを兼ねて首都Riyadh にあるKing Abdulaziz City for Science and Technology(KACST)へ行ってきました。ちなみに以前に行った事があるのは東側(海沿い)にあるDhahran。
Riyadh に到着
今までのサウジ訪問とは異なり、今回はほぼ全てが順調に進みました。お偉いさんの一行に同行するとこうも違うのか、それとも、行き先が違ったからなのか?それでも、何人かの荷物は、フランクフルトで行方不明(?)になってしまったことだけは申し添えておきます。
現地の人が大学のそばのホテルを用意してくれたのですが、予想外にいいところでした。チェックアウトの時に値段を見たら、一泊およそSR700 だったので納得(でもUS$200 弱ですが)。ホテルの周囲は、かなりの数の車が走っていたのですが、周囲を見渡すと砂漠らしき光景が・・・。建設中のビルもあった事を考えると、市の中心部からはちょっと離れていたのかもしれません。
KACST
今回の訪問の主な目的は、共同研究をするに当たってのキックオフミーティング。と言うわけで、KACST の先生方と色々お話を。
所内の様子はKFUPM に共通する面が幾つか。お金があるので色々な装置が入っているのですが、その半数が動かなくなっていたり、装置を動かせる人が少なかったりで、研究が効率的に行われているとは思えませんでした。また、装置はあっても、測定対象となる新しい物質を合成しているようにはあまり見えなかったと言うことは、純粋に研究資金だけあっても、研究は進まないと言うことなのでしょう。
市内観光
公式の行事が終わった後は、一日予備日が設けられており、下っ端は市内観光へ(お偉いさんは既に出国しました)。午前中はKACST の人々と色々話をしたのですが、遅めの昼食後は幾つかの有名なスポットに連れて行ってもらいました。
レストランに入ると、入り口近くの小さな部屋に通され、そこでアラビックコーヒーとナツメヤシが出て来ました。その後、食事をする部屋に通されます。たいていの料理は、日本人の味覚にあっているように思いますが、床の上に全てを広げるというスタイルにはなかなかなじめません。食事の後はNational Museum へ。
この博物館、自然博物館と歴史博物館を併せたような物でした。スミソニアンなどに行ったことがあるなら、前者はそれほど面白い物ではないでしょう。とは言え、後者を楽しむには、予備知識が必要。私は、時差ぼけで眠かったこともありますが、じっくりと英文を読んで回る気にはなれませんでした。もう一度行かねば・・・。
次に向かったのはKingdom Centre と言うタワー。聞くところによると、高さは約300 M で、この辺りで一番の高さを誇るとか。なお、エレベーターで最上部のブリッジに上ることができます(エレベータの最上階表示は99 階になっていた)。
本来はもう少し見通しがいいようなのですが、当日は砂嵐のせいなのか視界不良。市内の全域を見渡すことはできませんでした。どれだけ、砂漠っぽい地域なのか見たかったのに・・・。ちなみに建物の周囲にある植木は、栓抜き型にカットされていました。なお右の写真はAl Faisaliyah Center の球体の中から撮った物。Kingdom Centre の少し前に立てられたようです。
以下は、街中の風景。高級ブランドのお店が並んだところをとっても面白みがないので、もう少し貧しそうな(庶民のいそうな)所の写真だけ載せておきます。
滞在中に感じたことなど(役には立たない)
- さすがに首都だけあって大きな街という印象を受けました。間違いなくDhahran よりも沢山の海外高級店が出店しているはず(LV があるのは言わずもがなですがVS があるとは思いませんでした)。
- ついでに言うと、Dhahran よりも開放的な印象を受けました。都会だからなのか、それとも、年々雰囲気が変わっているのか?
- 少なくとも2 年前に来たときは、サウジには映画館すらないと聞いていたのですが、最近は、映画館もできたそうで。
- KACST には女性用のトイレは設置されていたけれど、女性研究者や学生にはまったく出会いませんでした。女性も教育を受ける機会はあり、別の建物で勉強しているという話でしたが、どこまで信じていいのやら?
- 最終日、幾つかのラボを見て回ったのですが、そこで実験をしている感じだったのは一人だけ。他の10 人以上の人たちは何をするでもなく、同僚とコーヒーを飲みながら雑談に興じていました。こういった人たちと、果たして共同研究をすることは可能なのだろうか?
- アルコールが禁止されている国ではあるが、サウジシャンパンなる物は存在する(もちろん、アルコールフリー)。中身は、単なるアップルサイダーですが。
- サウジカクテルもある。これも、いわゆるフルーツミックスジュース。サウジシャンパンと共に、おいしいですよ。
- お酒を飲まない国ではあるが、その代わりなのか、水たばこを楽しむ人は多い(それ用の場所にも連れて行ってもらった)。結局、人間とは何らかの形でラリってしまう物を求めるのかもしれない。
- サウジの人は、白い服にスカーフという格好をしている事が多いが、若年層では、そういった伝統的な服装よりT シャツにジーンズを好む人も多いとか。
- ちなみに、黒いガウンと赤いスカーフという伝統的な装束を、お土産としてもらいました。スーツケースに入りきらず、送ってもらうことになったので、実際に着用してみるのはこれから。
- サウジでは、通常10 人以上で暮らす(つまり二世帯住宅)のが普通だったが、最近は核家族化しているらしい。
- Riyadh の空港で買った水はSR2(約50 c)なのに、Frankfurt で買った水は3.5 Euro($5 弱)。この9 倍の価格差はどこから来るんだろう?水が貴重なのはサウジの方であるように感じるけれど。
- 今回利用したのは、Lufthansa。まぁ、全体的なサービス(個別のテレビや無料アルコールサービスなど)はUA より遙かに上なのですが、座席間(前後)の距離はUA のEconomy plus に歩がありそう。次回は、SFO-FRA だけはUA で・・・。
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