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Saudi Arabia 再訪

 昨年に引き続き今年もSaudi Arabia へ。二度目なので、目新しく感じたことはあまりなかったのですが、この国(大学)で起きていることへの理解を深めるという意味では、役に立ったように思います。例によって、数枚の写真とともに、見聞きしたことを本人の備忘録として書き留めておきました。


キャンパスの様子
 以前の写真と大差ありませんが、一応、何枚か載せておきます。

 

 

食べ物関連の写真
 近くのスーパーで撮った写真。店内は若干改装されていましたが、売られていた物は大差なし(当たり前?)。でも、必要最低限の物はだいたいそろいます。

 

 

学外の写真
 昨年の経験上、外で写真を撮るの(= 隠し撮り)はかなり難しい事が分かったので、今回はさりげなく、ビデオを撮り、その一部を切り取ることにしました。現地の雰囲気が伝わるでしょうか?

 

 

滞在中に感じたことなど(役には立たない)

  • 大きなモールがあちらこちらにあるのだが、その中で運動する人がいるらしい。特に夏場。一周すると数キロにも及ぶので運動靴をはいてくるとのこと。確かに、そんな感じの人が何人かいました。

  • サウジでは女性は全てアバヤを纏うことになっている。目の部分しか出していないので、大学の人たち(非サウジ人)も前後左右、どっちに動いてるかわからないと言っていた(この辺りでは有名なジョークのようである)。

  • アバヤを着る=大人の女性と見なされる、と言うことなのだろうが、そのような年頃になると、得てして親の言うことを聞かなくなるので、その年齢の2-3 年前からトレーニングするらしい。

  • カナダで留学してからサウジに来た先生は、学科の秘書が男だと気づきがっかりしたらしい。確かに、大学内では一人も女性を見かけなかった。一応、女性用のトイレはあったんだけど。

  • ガイドブックやネットの情報を見ると、サウジでは女性に話しかけてはいけない、ようなことが書かれているが、必ずしもそうではないらしい。女性は男性との会話が禁じられているわけではなく、学校でディスカッションしたり、買物をするための会話は問題ない(つまり必要最低限の会話は問題ない)。ただ、そのついでにジョークを交えたりするのはダメなのだとか。

  • ある先生の子供は、大学の付属小学校に行ってるそうである。英語の授業もあるらしく、片言の英語は理解していた模様。ただ、女性用のコースは受け入れ体制が整っていないので少ないとのこと。

  • サウジのひとはいつも白い服を来ているのかと思っていたがそうでもない。夏は暑いので白い物を着るが、冬場の気温の低い時期は茶色っぽいものを着る人も多いらしい。聞くところによると、ウールなので、白い物より暖かいらしい。

  • スカーフの模様も、およそ3 種類に分けられるらしい。白い物と、赤と白のチェック、それから黒と赤もあると言っていた(最後の物は見たことはない)。なお、スカーフの下には、小さな帽子をかぶるようである。スカーフの上には輪っかを載せているが、風で飛ばされないためなのだろうか?

  • ラボにいる人々の多くは外国人。ガーナ、ナイジェリア、チャド、パキスタン、インド、エジプト、チュニジア、ヨルダンなど。私のいるラボとは違う意味で国際化している。もっとも、アラブ圏出身者でなくとも、イスラム教徒が多いようなので(インドやパキスタン出身者)、ある種の共通項はあるようである。

  • ガーナからの学生曰く、ガーナの特産はコーヒーと金。でもコーヒーは輸出用みたいで、国にいたときに自分で飲むことはほとんど無かったという(サウジに来てからコーヒーを飲むようになったらしい)。

  • ガーナには雨季があるらしい。人口は2400 万人ほど。お隣(?)のコートジボワールとは、まぁうまくやってるので、領土問題はないと言っていたが、地図を見る限り、隣り合わせていないようなのだが・・・。

  • サウジで学会をする時、特にスポンサーが石油会社(サウジアラムコ、つまり、サウジの大学ではない)だと、ビザの取りやすさからバーレーンでやることも多いらしい。

  • バーレーンから橋経由(陸路)で入国する事も出来るが、バスを使った場合、その同乗者の中に労働者が混じってるとその人の審査が終わるまで一時間程待たされることもあるとか?人によっては、空路出来た方がいいと考えているようである。

  • サウジの良いワイフは男性のちょっと後ろをついてくらしい。なんだか昔の日本みたい?

  • 大学(KFUPM)の周りはサウジアラムコと空軍基地のくらいしかない,と言うよりそのために拓かれた土地らしい。でもそれほど人が多くない割には、緑は多いと言っていた(確かに、砂漠には見えない)。

  • ゲストハウスでPC を使っていたとき,なぜかPC が振動しているような気がしたのだが、よく調べてみると、漏電していた。アメリカ式の3-pin のプラグを使うと問題ない(アースが取れている)が、日本のプラグだとダメ。電気工事はいい加減なのだろうか?

  • 家にゲストが来た時の食事について。女性は女性同士の方が心地よいようなので、無理に主人とゲストの中に混じらないとのこと。ただ、男女間の接触を避けると言う意味もかなりあるんじゃないかというのが私の予想(聞かなかったけれど)。

  • サウジでは魚の値段がここ10 年ほどで5 倍以上になったらしい。魚好きのある先生はチキンは2 倍程度にしか上がっていないなのに・・・と嘆いていた。

  • 機内で見た映画「真夏の方程式」「The Wolverine」。正直言って、後者は何が言いたかったのか意味不明。前者が日本語だったからではないと思う。

  • サウジ往復の機内には(日本行きのフライトとは異なり)中国人がいないからマナーの悪い大人は少ない気がしたが、子供がいっぱい(クリスマス前だから?)。子供は疲れれば寝ちゃうのだが、泣き叫ぶのは・・・。その年齢を脱するまでは旅行を控えてほしい、と言うのが本音。

  • KFUPM で採用される教官の殆どはアメリカで学位をとっている。彼らはそれなりに優秀なはずだが、それを助ける学生がいないとのこと。平均すると、教官あたり0.5 人しか学生が取れないのだそうだ。さらに、学生の大半は教授のとこへ行くので若い人(准教授)は自分で実験するつもりじゃないと仕事にならない、と言うのが現実のようである。

  • 更に、優秀な先生が入って来ても、そういう人を事務につけちゃうことも多いのだとか。結果的にやる気をなくしてしまう先生も多いとのこと。

  • 嫌気がさして、他の大学に行ってしまう先生もいるとか?アメリカとは違い、大学として引きとめようとはしないのでもったいない、とある先生がこぼしていた。

  • 週に20 時間近く授業(に加え、その準備+オフィスアワー)に使う。更に10 時間くらい事務仕事で潰されてしまうので、研究に専念出来る時間は少ないとか?

  • 産油国だけあって、お金は比較的潤沢である。ただ、US$50K を超えるような装置を購入する場合、教授会の承認が必要らしい?更に、額によっては一般競争入札も(ちゃんとアナウンスせねばならないみたい)を義務づけられるので、とにかく時間がかかると嘆いていた。下手すると年単位・・・じゃ仕事になりませんな。

  • こちらで変なページにアクセスしようとするとブロックされるのだが、IP アドレスを確認しようとした時にブロックされた事があったのには驚いた。ブロックのおおざっぱな基準は分かるが、時々、何でこれが、と言うページがブロックされ、困惑したことも。

  • ちょっとした装置を買うため、大学に書類を出しているのだが、すでに15 回くらい、却下されたとか。すんなりと通してしまうと、彼らの仕事が無くなるからだと半ば自虐的に話していたが、あり得ないことでもなさそう。

  • アメリカなら一週間で出来ることがここでは3 年かかると嘆いていたが、研究のスピードという意味では、資金や才能のある人材はあれど、後進国になってしまうのでしょうな。

  • 帰りの飛行機はPrivatair が運行していた。殆ど聞かない航空会社だが、サウジの物だったのですな。

  • 某学生曰く、学科の建物は基本的に同じ形をしているが、図書館や事務とかだけは高さがあるとのこと。言われてみると、確かにそうなっている。昨年は全く気づかなかった・・・。

  • 機内のトイレにあるコンセント、一応使えるのだが、消費電力の小さいもの用だった。携帯程度なら充電できるが、パソコンの充電をすると、数秒に一度しかチャージしない。実質的には使えません。

  • ついでにいうと、機内にある照明、照らす方向を変えられたのですな。飛行機には何十回も乗っているのに、今まで試したこともなかったので・・・。