LA に長期滞在 (2007.3〜2007.4)
4/29/07
最近は、諸事情(お持ち帰りのお仕事)により、テレビを見る時間もあまりないが、久々に くだらない商品のCM に遭遇。車のテールランプの上に貼り付けておくと、バックした時(ランプがついた時)にだけ音が鳴る、と言うセンサーが$20 ほどで売られていた。確かに通行人がiPod を使っていなければ、注意を喚起することはできるかもしれないが、その効果のほどには疑問が。ちなみに、一つ買えば更に一つおまけが付いてくるらしいが、左右につけなければ見た目が悪いと、感じたのは私だけだろうか?
4/27/07
ここ数日、ある装置の調子がおかしいと、数人から相次いで苦情を受けた。測定結果を見れば、大体何が起きたのか想像がついたが、装置の設定を見たら、案の定、一部が変更されていた。問題なのは、設定を変えた人ではなく、何も考えずに装置のスタートボタンを押している人が非常に多いこと。装置の使い方を知っていても、それが何の意味もなさない事に気付いていないポスドクが数多くいるのは嘆かわしい現実だが、言うだけ無駄。本音を言うと、彼らがもっとsmart なら、私の雑用が減るはずなんだけれど・・・。
4/25/07
Proposal に関し、私が感じる日米の決定的な違い。大型予算をとっても、人件費に割り当てにくい日本では、少なくとも以前は、高価な機器の導入費に充当することが多かったが、アメリカでは、人件費と消耗品がおよそ1:1。これが意味するのは、現有の装置で研究が遂行できる事を示さねばならないため、過去の業績が重視される事。新参者が何を言っても信用してもらえないとなれば、生き残るにはいい研究を積み重ねるしかない、と言うのが現実。むろん研究費を分配するならば、計画の現実味を問うのは当然なのだけれど。
4/23/07
しつこくproposal について続ける。教授どもは、予算が取れればその一部を大学からの給料に加えて受け取ることができる(今回だと25K、これが彼の1ヶ月分の給料に相当)のだが、実際に色々仕上げねばならない私に対する成功報酬という物は残念ながら何もない。黙って見ているのも癪(?)なので、金額を含めた一連の話を学生に曝露したら、唖然としていた。本人の懐を満たすためにproposal を書かせていると解釈することも可能となれば、無理もない話である。あまりこき使うようなら、次は電子ファイルを公開してやる!?
4/22/07
ここのところずっと、proposal に時間を潰されているのだが、私にとって頭の痛い問題は、意外にも研究テーマを考えることよりも、わがままな人たちのやり取りに組み込まれてしまうことである。つまり、概要を把握していない教授連中が文句ばかり言っているので、それに振り回されるのは総じて下っ端。先日もNIH とフォーマットが違う、と文句を言っている輩がいたが、筋違いも甚だしい。この調子じゃ、仮に予算が取れても、協力して研究をする事など無理な相談。こんな物は二度と書きたくないと言うのが、私の偽らざる本心である。
4/21/07
手直しを済ませた論文の改訂版をweb 経由で投稿しようとしたのだが、相手先のサーバーがおかしいのか、接続できなくなっていた。他のPC から試してみても、そのweb サイトだけ何も表示されなかったので、サーバーがダウンしたか、メンテナンス中なのであろう。明確な締め切り時間がある訳ではないので、また後日試せばいいだけのことだが、今日中に終える予定の仕事が先送りされるのは、気分が悪い。全て紙に印刷する手間はかかれど、自分の都合で投稿できた学生時代が、今更ながら妙に懐かしく感じられる。
4/19/07
少なくとも男性用のトイレに関する限り、よほど管理の行き届いている場所を除き、下ネタ系の落書きが残されていることが多いように思う。そして今回、化学科の建物の中で、くだらない落書きを発見。解説するほどの物じゃないが、トイレの便座の上に敷くシートの箱に印刷されているシートの取り出し方の説明(First pull up ↑, then pull down ↓)の横に"Rules to masturbate" と書いてあり、その後"Repeat" すると、"Squirt" に至ると続けられていた。要は、こちらの学生のレベルも、日本と大差ないと言うことである。
| |
4/18/07
PS3 をサーバーに接続し、タンパク質のフォールディング計算をするプロジェクトがあるらしい。つまり、 PS3 がゲーム目的に使われている時間は限られているので、誰も使っていない時間はCUP を化学計算に割り当てると言うこと。 無駄に高機能化されたPS3 にはもってこいの副業なのだろうが、その販売数(実際にはプロジェクトに参加しているユーザー数)を考慮すると、本当に計算が進んでいるのかどうかは疑わしい。CUP の性能で劣っていても、数を売った Wii を使えば、案外互角に戦えるような気がすると言う意味で。
4/16/07
Leasing office からの手紙を見たら、アスベストについて書かれていた。要は、1978 年以前に建てられたこのアパートにはアスベストが使われているが、適切に処置を施しているので、通常はこれらが飛散することはないとのこと。ただし、壁に穴を開けると有害物質が出てくる可能性があるので、釘やドリルを使うなと言う但し書きも。しかし、彼らの本音は、住民の転出後に余計な補修をせずに済むよう、建物に傷を付けないで欲しいと言うことのはず。なぜなら、アスベストが本当に危険だとすれば、入居さえ認められないのだから。
4/14/07
数週間前、ボスが中国の研究者から質問状をもらったらしい。彼らが2004 年に発表した論文を引用せず、それによく似た物質を含む論文をボスが書いた事に憤慨した中国人が、アイディアを盗まれたと言い寄ってきたと言うのが大筋。むろん、真相を確かめる術はないが、ボスがその研究者にどんな回答をしたのか探りを入れたところ、意外な答えが。UCLA と提携関係を結びつつあるその大学の学長に、言いがかりをつけてくる奴がいる、と文句を言ったようだが、相手の挑発に乗らない点では、ボスの方が上手だったようである。
4/13/07
冬でも暖かいLA では、真冬でもサンダルの人は珍しくはないが、それとは相反するように、この時期になっても、ブーツを履いている人もいる。MI から来た人が「LA は、A2 に比べるとおしゃれな人が多い」と言っていたように、寒いからブーツを履いている訳じゃないのは分かるが、この時期のブーツは、おしゃれの範疇から外れつつあるような気がしないでもない。適度な自己主張は肯定的に捉えられるが、度を超すと変人扱いされかねないと言う意味では、ファッションと上手く付き合うにはそれなりの研究が必要なのだろう。
4/11/07
父親からのメールに「忙しい様ですが「 忙」は 心を亡ぼすと云う意味ですので適当にリラックスすることに務めて下さい」と書かれていた。普段、漢字を書く機会がないので全く気付かなかったが、言われてみればその通り。とは言え、リラックスのためと称し、バーでビールを飲み続けたら、今度は健全な肝臓を保持できるかどうか・・・。それでも、過労で体を亡ぼすくらいなら、飲み過ぎの道を選びたい!なんてアホな事を言っていられる余裕があるうちは大丈夫だろうが、今日は忠告に従い、これから Hooters へ行くことにしよう。
| |
4/9/07
今日もボスから何通かのメールが来たのだが、その中の一つが "CALL ME NOW" だった。全て大文字で書かれていたから、本当に電話が欲しかったのだろう。が、その下に記されていた電話番号は86 で始まっていた。中国人の某学生が、「これ、 上海じゃないの?」と言っていたが、その通り。さて、上海へ電話をしたのだが、今度はホテルの人が 何語で話しているのかよく分からず(笑)。結局、彼の通訳を介し、電話をボスの部屋へ取り次いでもらったのだが、わざわざ電話をする程の用事だったのか否かは些か疑問である。
4/8/07
週末に、ようやくtax return をする時間を確保。今回はFederal, MI, CA の三種類を昨年とは異なる区分で申告せねばならないので、適切なForm を探し出すだけでも気が狂いそうに。ただ、昨年、どれを使っても、税額が等しくなった経験則を思い出したので、最後は適当に仕上げてしまった。なお、誤算だったのは、必ずお金が戻ってくると思い込んでいたのに、CA 州にはさらに払い込まねばならないと分かったこと。どうやらUCLA の天引き額がUM より少ない事が原因のようだが、重税感が増すだけに、改めて欲しいものである。
4/7/07
ラボの困ったちゃんが、また面倒な仕事を押しつけてきた。これまた某省庁関連の研究費を取るための申請書で、当たれば4年で総額$2,200 K。やっつけ仕事と言えるほど楽な物じゃないが、他にもやらねばならないことが山積しているだけに、色々考える前に、どんどん書かねばならないのが現実。そんな中、ふと感じたのは、いつの間にか日本語で大まかな下書きをしなくなったと言うこと。時間の制約上・・・と言うのが真相にしろ、ある意味では進歩かも知れない。むろん、執筆に要する時間が本当に短縮されていればの話だが。
4/5/07
ボスに某論文の査読(掲載可否の判断)を頼まれていたのだが、その論文をどうするか決めかねていた時に、タイミング悪く、ちょっと前に投稿した私の論文に対する査読結果が戻ってきた。困ったことに、レフリーの一人は、我々のことをまるで敵視しているようなコメントを・・・。そんな物を読みながら頼まれていた査読を済ませた結果、仕返しというわけではないが、こちらも超辛口のコメントになってしまった。最終的に、ボスがどんな判断をするのか分からないが、頭の中を因果応報という言葉がよぎったのは言うまでもない。
4/3/07
某出版社からの電話を受けた秘書が、ボスに電話を回そうとしたのだが、彼の返事は「彼らとは話をしたくない」だった。しかし、新しい秘書はなかなか機転が利くようで、「申し訳ないが、ボスはちょっと席を外しているようなので・・・」と、適当にあしらっていた。その様子をとなりの部屋で聞いていたボスは「いつの間にそんな答え方を学んだんだ?」と笑っていたが、切れ味(?)も度を超すといい迷惑。彼女は妙に頭がよく、変な雑用を押しつけるべき人間が誰であるかを、前の秘書とは異なり、十分に理解しているようなので・・・。
4/1/07
学会や論文でドタバタしているうちに4月に。月が変わったとは言え、アメリカでは年度が替わる訳でもないので、生活そのものが大きく変わることはないが、某研究費に関する第一四半期のレポート作成や、tax return の締切が着々と近づいてきている事など、色々な期限が目に見えるような形で現れてきた事は否定できない。こちらでも夜桜見物をする機会があれば、こんな雑務を忘れる事もできるのだろうが、締切を守れるか否かは別の話。と言うわけで、夜な夜なやっつけ仕事に取り組む生活はもうしばらく続きそうである。
3/30/07
来月分の家賃を払うためにleasing office へ行った時に思い出したのだが、私が住んでいる場所では、期日よりも早めに家賃を払うと、抽選で家賃が無料になる事がある。残念ながら、私はその恩恵に授かったことはないが、early bird などと書かれた用紙に名前を書き、チェックと共に提出したら、実際にいくらか割り引いてもらえたと言う友人がいるので、ニセの宣伝ではなさそうある。ミシガンではなかったシステムなので、アメリカ式とは言えないのかも知れないが、期日厳守を喚起するためには有効な手段の一つのような気がする。
3/29/07
ラボの人たちと集団行動をする際に、普段はあまり表に出てこない各々のキャラを観察するのは面白い事である。今回も、マイペースというか、周囲の人々の都合が全く頭に入っていないメンバーが、本能の赴くまま(?)に行動していた。無論、彼はその場の空気が読めないだけで、悪意がないのは百も承知なのだが・・・。これがもう少しずる賢い奴になると、「周りの事ばかり気にしているのが日本人」なんて悪態をつくのだろうが、非常識人間とみなされるくらいなら、迎合主義の日本人でいた方が幾分ましかも知れない。
3/27/07
今日も夕方までホテルで入院(?)生活を送った後、学会のポスター発表に出かけた。ところが、少し離れた場所でUM 時代の知人と話をしていたら、私のポスターの写真を撮っている中国人が。学会側が「勝手に写真を撮るな」と忠告していてもお構いなしと言うことなのだろうが、非常に不愉快に感じたので迷わず抗議(笑)。その他にも、わざと名札を外してポスターを見に来ていた中国人(同業者)の姿が・・・。彼らの多くが非常識な研究者だとは思わないが、もう少し、節度をわきまえて欲しいと願うのは無理な相談なのだろうか?
3/25/07
学会のためにChicago まで来て気付いたのは、普段の生活の中でいかに疲れがたまっていたかと言うこと。むろん休みもなく働き続けていれば、こんな事になるのは無理もないが、講演を聴きに行くどころか、観光に出かけるエネルギーすら全く沸いてこない。食事やホテルのroom keeping を全て拒否し、夕方まで爆睡した結果、多少は体の疲れが抜けたのだろうが、ホテルのマットレスが柔らかすぎたのか、今度は腰痛(?)が発生。体を労りながら生活しないといけない年齢になってしまったことを実感させられた一日だった。
3/23/07
装置の管理をしていると、必ず身勝手なユーザーに悩まされるが、トラブルに遭遇する確率の高い人は、必ず余計なことをしているにも拘わらず、本人にその意識がないのは不思議である。今日も、某学生が装置がフリーズした、と文句を言いに来たのだが、そうなるべくしてなったというのが本当のところ。そして「頼むから装置に触らないでくれ」と言ったそのわずか数10 秒後に、装置のメイン電源をON にしていた。鶏並みの記憶力しかないと言うよりも、実験をする鶏がラボにもいる、と考えれば怒る気も失せるけれど・・・。
3/21/07
UCLA では、学期の最終日の真夜中に下着姿の学生が大挙して大学の周囲を駆け抜けるという、日本ではまず耳にしないイベントがある。今までは話に聞いていただけだったのだが、今日、偶然ながらその現場に遭遇。ポリスが警備に当たっていたくらいだから、大学の準公式行事として認識されているのだろう。ほんの数分の出来事とは言え、総勢1000 人程になるんじゃないかと言う学生の集団が走っている姿はなかなか見応えがあるというのが感想。もっとも、仮に私が学生だったしても、一緒に走るとは思わないけれど・・・。
| |
3/20/07
厳密に言うならば昨日だったのだろうが、今日は私の 誕生日。おめでたい日なのだろうが、今週末から 学会のためにシカゴへ行かねばならない私には、その前に終わらせねばならないことが山積している。当然、何か特別なことを・・・、と目論むような時間がある理由はなく、いつもと何ら変わらぬ一日だった。しかし、せっかくなので、数人の学生に宣伝してみたら、コーヒーとドーナツを買って来てくれた。欲しい物(?)は言わないと手に入らない事を再認識したと言う意味では、アメリカらしい誕生日だったのかも知れない。
3/19/07
ここのラボでは、年に4 回、簡単な研究レポートを提出せねばならない。予算関連の報告書の期日を守らないボスが、学生にレポートの期日を厳命しても説得力はないが、教授とはそんな生き物である。が、学生の方が上手だったのか、今回のレポートを軽く見ていた学生が多かったこと。むろん、期限があれど、中身を読みもしない事がバレていれば、学生になめられても仕方がなく、学生を更なる権力で抑えつけようとするのはむしろ逆効果。「物事には理由がある」ことを、科学者ならば頭の片隅に入れておくべきかもしれない。
3/17/07
今日は St. Patrick's day、数日後の私の誕生日、そして月末に日本に戻る某夫妻の送別会を兼ね、 寿司バーへ行った(もちろん、理由は後付け)。その店の存在は以前から知っていたが、立派すぎる外観ゆえ今まで試したことはなかったが、支払い可能なレベルの値段だったので一安心。板前さん(4 人)は日本人だったが、食べたものはアメリカ風にアレンジされた物ばかり。寿司を食べたという満足感はあまり無かったが、味は上々だった。板前さん曰く、また今度、友達を連れて来てくれ、とのことだったが、私には難しい相談である。
| |
3/15/07
某ポスドクが、最近はやる気が出ない、とぼやいていた。 雑用が多すぎる事が根幹にあるにせよ、ボスの提示しているテーマは面白くない、という彼の本音は見過ごせない問題である。と言うのも、研究計画の一部は、小さな穴の中に その5倍の体積を持つ物質を入れろ、といった類のもの。科学的に起こり得る事と 手品の境界線が無くなってしまえば、それはもはや新規テーマとは言えぬであろうに。だが、ボスがそれに気付いていない以上、手の施しようが無いというのが現実。焼きが回るにはボスもまだ若いだけに、残念な事である。
3/13/07
昨年もそうだったのだが、なぜか春先のこの時期だけ、家の中にアリが迷い込んでくる事が多いように思う。Leasing office に文句を言いに行くほどのことじゃないが、なぜ、1) 毎回数匹のアリが、2) 天気の悪い日に限って、3) バスタブの周囲にのみ迷い込んでくるのか不思議である。ちなみに、いつもお湯をかけて流してしまうので、駆除は簡単だが、こちらのスーパーでも、アリを駆除するための物は簡単に手に入る。私の場合は、そんな物を買わなくても、ラボにある薬品を家の中にばらまけば、解決できそうな気もするけれど。
3/12/07
お天気チャンネルを見ていてふと感じたのだが、アラスカの天気が紹介されているところを見た記憶はほとんど無い。ハワイやヨーロッパの様子は時々見かけるというのに。敢えてその理由を考えるなら、アラスカには、1) 誰も住んでいない(△)、2) ケーブルテレビが普及していない(▲)、3) 地元のチャンネルがあるから本土の放送局は不要(◎)、4) アラスカ?興味なし(○)、または、5) 一年中雪に覆われているから気候の変動がない(×)、と言ったところか。飛行機の直行便が無かった頃は需要があったのかも知れないが・・・。
3/10/07
大学の生協の前で、旅行業者らしき人物が暇そうに立っていた。どう見てもLA で雇われた人には見えない事に違和感を覚えたが、その後、キャンパス内で、制服を着た日本の高校生らしき集団が、2列に並んで学内を散策している姿を発見し、妙に納得。なお、せっかく大学内を見学するなら、こちらの大学生がたくさんいる平日を選べばいい物を、と感じたのは、私がこちらに住んでいるからだろうか?さもなければ、アメリカの大学を見た日本の高校生が、こちらの大学への進学に興味を示す確率は激減するだろうと言う意味で。
| |
3/9/07
某大学のポリマーの先生とビールを飲みながら話をする機会があったのだが、彼のラボも、ここと同様、研究の質を追求しているという。院生の一人は、ある実験を始めるのに半年間費やしたと口にしていたが、これこそ目先の結果だけを追い求めていたら到底できない芸当。論文の質と量のどちらを取るか、というのは難しい問題だが、日本にも遅かれ早かれ、質を求めねばならない時代が来るはず。そんな時に生き残るためには、自己の研鑽だけでなく、異分野の共同研究者との交流が必要不可欠になるのではなかろうか。
3/7/07
UCLA のコーヒーショップでは、学生だと割引価格が適用される事になっている。それを真似したボスが、私に"Are you a student here?" と問いかけてきた。迷わず(?)"Yes" と答えたところ「ウソはいけないよ」と諫められてしまった。確かに、彼の言う、税金分の割引なんて小さな額というのは分かるのだが、自身の携帯代を研究費で落としている人には言われたくない、と言うのが私の本音。彼が、コーヒーショップで税金を払いたくなるだけの給料を保証してくれればいいのだろうが、こればかりは無理な相談のようである。
3/5/07
大学のコーヒーショップの前を歩いていたら、特設のステージが出来上がっていた。普段見かけるステージよりも立派だったことに加え、報道関係者がいたので、何事かと思い周囲を見回したところ"Edwards08" と書かれた看板がしっかりと横に立っていた。彼がここで演説をしたのか否かは定かじゃないが、キャンペーンがあると言うことは、大学生が有権者と認識されていることの証。アメリカ一国と言うより、世界の大統領(?)を決めるための予備選であるにせよ、こちらの学生の方が有権者意識が高いことはほぼ確からしい。
3/4/07
日本の学生の卒業旅行のシーズンなのだろうか、最近、一目で日本から来たと分かる一団をよく見かける。アジア系の人々が多く住むLA だが、この辺りには不似合いな格好をしている事に加え、緊張と不安が入り交じった表情をしていることも多いので、彼らの存在は否応なしに目立ってしまう。誰でも旅行ができる時代だが、島国に住む日本人にとっての海外旅行とは、何かと気苦労の多い体験なのだろう。なお、日本人はガイドブックは熱心に読めど、アメリカ人に道を聞くことはない。冷静に考えると面白い民族である。
3/2/07
某省庁で働く人がラボにやってきた。研究の進捗状況を確認するのがその趣旨だが、「税金はいかに無駄に使われているか」を実感するにはいい機会だった。呆れるほどに研究の中身を理解していないボスの発表に、何の疑問も抱かなかった担当者。そんなOfficer が、政府に予算を申請する訳だから、プロジェクトの幾つかが、何の結果も得られないまま打ち切られるのは無理もない。どうやら、カナダも似たような状況らしいが(そして、日本も)、研究費の獲得が目的のプロジェクトが存在することを、一般人も知るべきである。
3/1/07
10 日ほど前、無機化学の大御所が亡くなった事がちょっと話題になった。話題になるというのは、彼が悪名高かった事に加え、彼と交流があった人が身近にいる事を示すに他ならないが、言い換えると、海外の著名な人々との交流が期待できる場所に身を置くことは、研究をする上でも重要なのであろう。なお、日本では英語が話せると国際人とみなされるのだろうが、大切なのは、専門知識に加え、外人に認められるような教養や人間性を併せ持つこと。外人が尊敬する国際人になるために必要なのは、英語よりも日本語である。
|