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LA に長期滞在 (2006.9〜2006.10)


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10/31/06
    ラボのゼミで、2回にわたりちょっとしたレクチャーをしたこともあり、ここ数日、それに関するいくつかの質問を受けた。学問は短期間で理解できるほど甘くはないので、本質を理解していないがための質問は許容範囲内としても、「科学の基礎を何も解していない」と感じさせられる人が意外に多いのには閉口させられる。得てしてその場合、彼らがPh. D. を持っていようとも、研究成果が上がっていかないのが悲しい現実。実験の量は重要だが、手当たり次第に試薬を混ぜる前に、最低限の勉強はしておくべきなのであろう。

10/29/06
    こちらはようやく今日から冬時間。一年に一度だけ、睡眠時間を一時間だけ長く確保することができるありがたい日なのだが、LA にいると、そろそろ冬が来るぞ〜、という感覚には全く浸れない。そもそも、昨日の最高気温は80 F27 C)。それに比べればいくらか涼しい今日だって、昼間はT シャツで過ごせてしまうくらいの気候。そんな訳で、ミシガンがどんな寒さだったを、思い出す事すら心許ない。LA に長くいるとボケるよと忠告してくれた友達がいたが、すでにその兆候が見え隠れしているんじゃないかと感じる今日この頃である。

10/28/06
    普段、大学の生協(購買)にまで足を伸ばすことはほとんどないが、久々に内部を物色(?)したところ色々な物が売られていることに気付いた。中でも、日本との差を感じさせられたのは、妊娠検査キットが堂々と売られていた点。私が日本にいた頃に限って言えば、おそらく保守的な国立大学の生協で、この手の物を見た記憶は全くない。きっと、日本の生協の職員にとっては、学生が結婚している事なんて想像できない事態なのだろう。個人的に気になるのは、その需要のほどだが、こればかりは闇の中である。

10/26/06
    ケーブルTV 会社から、サービスの変更に関する書類が送られてきた。言うまでもなく、変更というのは、さりげなく値上げをします、と言う通達で、見栄えをよくするために、普通の人には関係の無さそうなプログラムのいくつかを併せて値下げしておいた、というのが本当のところだろう。7月末にComcast と合併した頃は、サービスの向上を・・・などと歌っていたけれど、現実に起きているのは「ほとぼりが冷めた頃の値上げ」。これこそ、ライバル会社が消えると、どの会社も好き勝手なことを始めることの好例かもしれない。

10/24/06
    何も今に始まったことではないけれど、何か一つの仕事を片付けたと思った頃に、また別の仕事が舞い込んでくる。色々な仕事(要求?)を突きつける役目のボスにとっては、どんな仕事も簡単に見えるのかもしれないが、世の中の多くの事は、そう簡単には進まない。そんな話をラボの人としていたところ、彼は「一日は24時間しかないんだよ」とこぼしていた。最善を尽くすにせよ、本人が壊れない程度の仕事のペースを守る事は、人間らしい生活を送るためにも必要不可欠。ボスとの知恵比べ(?)はまだまだ続きそうである。

10/22/06
    数日前、私の論文を見たどこかの大学の学生さんから、その中のある化合物の合成法を教えてくれと言うメールが来た。決して難しい合成ではなく、ちょっと調べればデータベースで発見できそうなレベルの物なのに・・・と思ったが、仕方なしに返信しておいた。その時に頭に浮かんだのが、知人の言葉。聞くは一時の恥とは言っても、多くの場合、いつも聞いてばかりいる人はろくな質問をしたためしがないとか。質問する事が悪いとは言わないけれど、何も調べもせずに教えてくれと口にするのは、避けるべき事のようである。

10/20/06
    ラボで雑用ばかり(?)していると言うのに、ゼミの順番が回ってきた。仕方なく、他の人が合成した物質のデータを使って話をしたのだが、私の話をそこそこ理解できたのは、どうみても2割未満。事実、発表後に "Nice talk!" とは言ってくれても、理解できたとは誰も言わなかったから。ただ、PPT のファイルをくれ、と何人かに言われたことを考えると、発表そのものは、価値があったと信じたい。そのせいか、来週も、今回終わらなかったプレゼンの続きをせねばならなくなったことは、ちょっと予想外だったけれど。

10/19/06
    テレビで料理関係の番組を見ていた時、料理酒によって作られたを利用して料理をしろ、と言う課題が出てきた。以前から、料理と化学の実験には共通点があると感じていたが、ここで決定的な違いを発見。つまり、テレビの料理番組を見る限り、そこからは安全への配慮がほとんど感じられない。化学の実験で、安全メガねをかけずになんか作ろう物なら、誰かに怒鳴られても文句は言えないが、料理でケガをする人はいないのだろうか?それが実験中の出来事なら、ちょっとした火傷でも問題になりそうな物だけれど。

10/17/06
    ハロウィーンの時期が近づいてきたこともあり、テレビではハロウィーン用のコスチュームのCM が流れていた。実際にこれらを買ってパーティーをする人がどれだけいるのか分からないが、くだらない商品への需要が尽きないのは、日本と同様の出来事であろう。ちなみに、大学のコーヒーショップでも、ここ数日の間にハロウィーン用の飾り付けが出現。それほど広くはない店内だが、カボチャや骸骨人間などが吊されている。店内の趣が変わると、多少なりとも新鮮な気分に浸れるのは、まだ子供心が残っているからだろうか?

10/15/06
    NCAAF では、2週連続でNo. 2 ランキングのチームが破れたため、ミシガン大がついに2 位にランクされた。UM がここまで上位に来たのは、全米制覇した97年以来の事だけに、ようやくここまでという気がしないでもない。事実、今期のゲームは、結構安心して見ていられるのも昨年との大きな違い。ただ、WR の一人が故障してしまったのが気がかり。新聞でも"big weapon" と書かれていた彼を失ったことは、同じBig Ten に属するOSU (No. 1) とのタイトル戦が厳しい物になることを意味するが、何とか持ちこたえて欲しい物である。

10/14/06
    ミシガンほどじゃないにせよ、ここのところちょっと涼しくなったと思っていたが、テレビを見ていたら最近の平均気温は例年より10 F ほど低いとのこと。10 月に入ってからの急激な気温の低下がLA の平均的な天候を意味している訳ではないことを知りちょっと安心。ただ、昨日は、数ヶ月ぶりにと呼べる物が降った事を考えれば、このあたりにも秋が訪れてきたことくらい容易に察しが付く。そうは言っても、昼間はまだまだ半袖で過ごせてしまうのがLA。極寒のミシガンには、二度と戻れないような気がする。

10/12/06
    Panda express でもらったフォーチュン・クッキーの中に"Simplicity in your lifestyle will ensure you a happy life" と書かれた紙が入っていた。ただでさえ、大学と家の間を往復するくらいの生活しか送っていないと言うのに、これ以上質素な生活を送る方法というのを考えてみたが、名案は浮かばず。PC を使わず、バスにも乗らない、旧石器時代のような生活にもどればいいのだろうか?一切、仕事(研究)をしない生活と捉えれば、これは質素な生活かもしれないが、私にとっては些か退屈な人生になるような気がする。

10/10/06
    10月に入ってからという物、何人かの友人から、"It's been a while since our last contact..." といった類のメールが何通か舞い込んできた。確かに、ここのところ、メールと言えば業者宛ばかりで、友人へのメールの優先度は、かなり低かったのも事実。この不定期日記を解さない外国人には、近況を知る術がなかったのは無理もない。とは言え、時々こんなメールが来るというのは、一部の外国人にとって、私もお友達リストに混ぜてもらえる価値があると言うこと。その意味では、私も捨てた者じゃないと自慢できるかもしれない(笑)。

10/9/06
    北朝鮮の核実験関連のニュースはこちらでも報道されているが、その中に金正日関連のパロディーが多々含まれていたのが印象的だった。もっとも、ここでは地球の反対側にある北朝鮮での出来事が重要課題であるはずもなく、中国に責任を押しつけたいと言うのが本音。大統領だって、なかなか内部崩壊してくれない北朝鮮を恨めしく思っているに違いない。外交音痴の日本は口先だけの抗議を続けているのだろうが、こんな時こそ法改正するなどし、集団的自衛権を言う方が現実的だと思うが、そうはならないだろうなぁ・・・。

10/8/06
    ここ数ヶ月間、私を悩ませ続けてくれた某測定装置、ようやく論文用のデータが取れるようになったと思った途端、というかそのわずか数時間後、真空計が壊れてしまった。いろいろ調べた限り、この状態でも測定を続けることは可能なようだが、部品の値段はおよそ$3500。私の月給(薄給)と比べてみても、いい値段であることがよく分かる。そんな私の仕事は、毎日大好きな(?)実験をすることだと思いこんでいる人も多いようだが、化学者としての私の時間の多くは、それとは無関係なところで費やされているようである。

10/6/06
    ここのところ、ラボのゼミが退屈で仕方がない。これは決して、発表者の研究内容が悪いためではなく、明らかに聴衆の問題。新人が多く加わった事も一因なのだろうが、何も勉強していない人に限って、意味を成さない愚問を数多く披露している事には腹が立つ。そんな質疑のためにゼミの時間が延び、長時間拘束される事は、私にとっては迷惑以外の何物でもない。質問の前に、それが集団にとって意味のある事なのかを、ちょっとは考えて欲しいものだが、一部の学生さん(とポスドク)には無理な相談のようである。

10/5/06
    珍しく、今日は見知らぬ人に、道を聞かれる事が多い一日だった。私の場合、彼らの目的地そのものを知らないこともよくあるけれど、アメリカでは、そこにいるのが誰であろうと、何も気にせずに道を聞く人が多いことは興味深い。様々な人種が集まっているので、外見だけでアメリカ人か否か判断できない事もあるが、道を聞いただけでもお友達になりかねない彼らの国民性が少なからず効いているような気がする。海外に来ても日本人同士で固まっている集団が、彼らにとって奇異に映るのは、当然の理なのかもしれない。

10/3/06
    通りを歩いていたら「逆に日本語で話しかけられるから困っちゃう」という言葉が耳に入ってきた。この秋から語学留学を始めた、という感じの二人組の意図するところは、英語のレベルを上げたいと言うことなのだろうが、日本人同士でつるんでいるうちは無理な相談。そもそも、日本人が多く集まるような所に行けば、日本人同士のグループができるのは当然のこと。短期間で英語力を上げるのであれば、日本人の友達を排除し、外人のみと会話をするくらいの意気込みが必要だと思うが、彼女たちはどう考えているのだろう。

10/2/06
    早い物で、アメリカでの生活も4年目に突入。当初は、ミシガンに一年間の予定だった事を考えると、随分な計画倒れだが、私の人生は予定通りに進んだ事もないので、これも当然の成り行きなのだろう。ただ、アメリカでの三年間は、物事に対する考え方が変わるには十分。今、日本にいた頃の私と会話をしようものなら、きっとケンカになるだろう。願わくば、いずれこちらで身に付けた物事を日本で生かす機会を見つけたいものだが、日本と言う国家に、こんな人間を受容する寛大さがあるかどうか、甚だ疑問である。

9/30/06
    米連邦議会の上院では、メキシコとの国境にフェンスを作る法案が可決されたそうだが、そんな物を作って、機能するのだろうか?そもそも移民系の人々は、アメリカ人がやりたがらない仕事の受け皿として機能している面もあるだけに、単に移民を拒否すれば政府の財政負担が軽くなる、と言うほど事は単純でもないように思う。とは言え、専門的な技術をもつ研究者でも、ビザ申請は面倒な事。メキシコ人だけ移民できるシステムよりは、私の払った税金で立派なフェンスを建設する方が、個人的には好ましい事かもしれないが。

9/29/06
    ここのところ、研究と言うよりは、専門書を読むために大学に行っているような気がする。しかし、新しいことを勉強するのは決して簡単ではなく、本の行間を読むのにも一苦労。こんな調子だったら、まともに使える知識を身に付けるのに3 年くらいかかりそうな気もするが、給料泥棒と言われないためには、さえない頭を駆使して理解するしか道はない。本を読んでも理解できないような理論を提案した先人の知恵には、ただただ脱帽するしかないが、学者の端くれとして、私も一つくらい数式を世に残せないものであろうか?

9/27/06
    学内のコーヒーショップからの帰り道、ラボの某ポスドクに出会った。Mac を片手に歩いているから、何かあるのかと思ったら、居室があまりにうるさいので、図書館に隠れに行くのだという。確かに、彼の部屋には、おしゃべりばかりでろくに働かない人が何人かいるので、彼が逃げ出したくなる気持ちはよく分かる。私の居室にも、人の都合を考えず話しかけてくる人が多々いることを考えると、なるべくなら他人の仕事を邪魔すべきではない、と言う当たり前の事を理解できない人が私のラボにも沢山いる、と言えそうである。

9/25/06
    Santa Monica Blvd. は、慢性的な交通渋滞に見舞われている。特に、私の家のそばの前後数キロは、時間帯によっては、歩いた方が速いくらいのノロノロ運転。したがってバスの時刻表なんて、ほとんど当てにならない。しかし、そんなことにはお構いなしに、最近、道路工事を敢行している輩がいる。バスの中から何をしているのか眺めたら、今日は、椰子の木を歩道に植えていた。一車線分を封鎖してやるほどの作業だとは到底思えないが、彼らはお構いなし。この植林作業(?)が一日で終わることを祈るばかりである。

9/24/06
    今日のLA はとてもいい天気。暑くも寒くもなく、非常に過ごしやすい。こんな日に、なぜ大学に行かねばならないかはさておき、ラボにいたら、ボスがいきなり現れた。彼は、また例によって、コーヒーを飲みに行こうと言う。二日前、私をコーヒーショップにに連れ出し、色々と文句を言っていたのを思い出したのか、今日は、「友達としてのコーヒー」だという。歩きながらの彼との会話は確かに穏やかだったが、案の定、いくつかの宿題(難問)が・・・。彼の宿題を仕上げるのは大変な事が多いのだが、彼は自覚しているのだろうか?

9/22/06
    新入生を歓迎するためのパーティーがあった。時々、中庭で開催されるビールパーティーと同様のスタイルだったので、とりわけ目新しい物でもなかったが、何人かと話をしていて気になったことが一つ。私の記憶にない複数の学生さんから、「以前見かけたよ」とか、「顔だけは知ってたよ」と言われたのはなぜなのか?アジア人だから目立つのか、外見に大きな特徴があるのか、私が研究もせずに(?)学内をふらふらしていたからなのか・・・、本当のところは定かじゃないが、できることなら研究面で有名になりたいものである。

9/21/06
    最近、ラボの前の建物の取り壊しが始まった。ミシガン大もそうだったけれど、UCLA では、絶えずキャンパス内のどこかで新築工事をしている。きっとどこかに、潤沢な資金源があるのだろう。冗談はさておき、日本とは決定的に違うのが、その工期のいい加減さMedical School のある建物など、当初の計画からすでに数年遅れているらしく、招聘された教授の中には、移ってきたのはいいけれど、仕事にならない人もいるらしい。工期の遅れには、罰金が課せられるとは聞いたが、それもここでは効果がないということか。

9/19/06
    ここのところ、O-157 ホウレンソウに関することが報道されている。普段、野菜はおろか、食料品そのものを買わない私にとってはあまりピンと来ない出来事だが、テレビを見る限り、スーパーの野菜売り場からホウレンソウが撤去されたのはほぼ確からしい。なお、「ホウレンソウが食べられなくなったけれど・・・」と言うレポーターの質問に対して、「その代わりにジャンクフードを食べるからいい」と答えている人がいた事には爆笑。ここまであっけらかんとしている人は、日本ではなかなか見かけられないかもしれない。

9/18/06
    UCLA のFall Quarter が正式に始まるのは来週のようだが、今週から、新入生向けの行事が始まったようである。そのおかげで、今日からBigBlueBus もディスカウント価格(25c)で乗車可能。運賃が安くなったこともうれしいが、小銭をじゃらじゃら持ち歩かずに済むようになる事はありがたい。しかし、冷静に考えると、新学期の始まりは、夏休みを取る時期を逸したままに秋になってしまった事を意味するだけ。せめて一度くらい、アパートのプールで泳いでおくべきだった、と後悔している今日この頃である(もう、泳ぐには寒すぎる)。

9/16/06
    今年もフットボールの時期がやってきた。UCLA に移ったとは言え、心は未だミシガンにあるのか、ミシガン大の結果の方が気になってしまう(UCLA が強豪校ではないことも一因だが)。今週の相手は、ここ数年いいようにやられていたNotre Dame 大。相手の方がランキングも上位なので今年も・・・と思っていたら、意外にも、敵地でND 大を完璧に撃破してしまった。この調子で勝ち続け、最終のOSU 戦でBig Ten のタイトル争いおよび、Rose Bowl 出場権の獲得を実現して欲しい物だが、うまくいってくれるだろうか。

9/15/06
    飲み会の席で、ボスは55 歳になったら研究の第一線からは引退する、と言い出した。欧米では、仕事の幕引きが早い人も珍しくないと言う意味で、彼のコメントは驚く物ではないが、50 歳にならないと教授になれない日本のシステム(特に国立大)が頭にあると、常識を逸した判断にも映る。若ければいい仕事ができる訳でもないが、若手にも積極的に機会を与えるくらいじゃないと、長い目で見た場合に、欧米の大学や企業に太刀打ちできなくなるような気がするが、日本の研究機関はどのように変わっていくのだろうか?

9/14/06
    ひょんな事から、ラボの某ポスドクと共に、Google に出ている衛星写真から私の実家の場所を探すことになった。実家の建物が鮮明に写った写真が、アメリカにいながらも簡単に手に入るというのは不思議な感覚だが、時々日本を思い出すにはちょうどいい。それはさておき、実家の周囲に細長い物体が沢山映っているのを見た彼が、これは何?と尋ねてきた。初めは何だか分からなかったがよく見るとゴルフ場。ゴルフ場の写真が、意外に気味の悪い模様に見えるというのは新しい発見(?)である。

9/12/06
    このあたりで働いている日本人と話す機会があったのだが、彼はグリーンカードGC)を持っていると言う。私のようにPh. D を持っている場合は、H-1B を取り、こちらで数年働けばGC も比較的簡単に取れるが、私より一回りも若い人がGC を持っているのはちょっと意外だった。ただ、彼が言うには、GC の抽選では、当選者を水増しするので、実際に言われている程GC を取るのも難しくないとか。アメリカに仕事がなければ意味がないと言う意味で、私はさほど魅力を感じないが、移住が目的の人には朗報なのかもしれない。

9/10/06
    大学にいても、学会等に行くたびに、出張費を立て替えねばならない事がよくあるが、後日、銀行に振り込まれている額は、予想される額に比べ、異様に少ない。どんな計算をしているのか全く把握できていなかったのだが、最近ようやく状況が飲み込めた。なんと、立て替えたお金の払い戻しは、給与以外の収入とみなされ、その4割が税金として徴収されるらしい。現時点で、納得のいかない損失は$1000 以上。笑って済ますにしてはその額がちょっと大きすぎるような気もするが、George は私に何か施してくれるのだろうか?

9/8/06
    ここのラボの数人の学生は、装置の扱いが雑。最大の問題は、何を言っても本人がそれを認識しない事なのだが、黙っているのも癪なので、その不満をメールで流したところ、意外にもボスから反応が。現状を知った彼は、かなり不愉快に感じたらしく、ルールを守らない人には、私の権限で測定をやめさせてもいいと言う。しかし、彼がそこまで言うのは希なこと。改めて、送信したメールを読み返したところ、私の怒りが伝わってきた(笑)。強気に主張する事は必要だが、そのさじ加減を誤らないようにする事も大切かもしれない。

9/6/06
    9月になったとは言え、こちらは毎日、何の例外もなく晴れている。ハリケーンどころか雨すら降らないと言う意味で、おそらくLA は、季節感を味わうには物足りない街なのだろう。結果的に最近は、A2 では毎日お世話になっていた Weather channel を見る機会も激減。そんな今日は、久々に、お気に入りのお天気お姉さんの一人をTV で見かけたのだが、いつの間にかすっかりお腹が大きくなっている事に気付いてびっくり。私はいわゆる女子アナファンではないけれど、全く動揺しなかったと言えばウソになるような気がする(笑)。

9/4/06(祝)
    こちらは、労働者の日なのだが、私の生活はいつもと変わらず。そして大学に行ったところ、昼になって某学生さんが、装置が壊れた、と言い出した。その前兆は前からあったとはいえ、何も今日壊れなくても・・・。それはさておき、今日は父親の誕生日だったので、日本に電話をかけてみた。つまらない世間話を1 時間ほどしたのだが、案の定、言葉がすらすらとは出てこない。父親が気付いた否かは定かじゃないが、返事が英語になりかけたことも何度か・・・。日本語は易しくない、と言うのが私の偽らざる感想である。

9/2/06
    韓国からの学生さんが、ここ数日実験をしている。彼は運に恵まれない男で、論文を書こうとすると、他のグループに出し抜かれる事が多く、今回も、ほとんど同じ内容の論文が、昨日になって、発表されてしまった(3 回目?)。実験も終わり、そろそろ帰国と言う時期になっての出来事だけに、彼を慰めるべく、数人でKorea town の焼肉屋に行くことに。ハングル語のメニューの中から彼が何を注文したのかはっきりとは分からなかったが、手頃な値段で飲み食いできた私は満足。あとは、少しでも彼の気が晴れたことを祈るばかりである。

9/1/06
    某サイトのFinance 欄を見ていたら、Jet-setter がどのようにお金を使うかが記されていた。彼らの平均年収($9.2 million)ですら、気の遠くなるような額だが、使い方も半端じゃない。海外旅行代金の10 万ドルに加え、ホテルや温泉の利用に50 万ドル。むろん車やヨットも散財のためには重要らしいが、腕時計にすら年間15 万ドルも使ってしまう点は、私の理解を超えている。大学で夜な夜な実験をしているうちは、彼らの毎年の時計代すら稼げない、と言うのも悲しい話。そろそろ転職を考える時期なのかもしれない・・・。

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