6/29/06
VB とプリントされたT シャツを着て、キャンパス内を歩いていたら、
"Hey, VB man" と見知らぬ人に声をかけられた。彼曰く、
VB はいいビールだ、とのこと。日本ではあまり見かけないが、オーストラリアに行った時に毎日
VB と
XXXX bitter を飲んでいたので、それは私にもよく分かる。そんな私のラボにおける今日のお仕事と言えば、高圧ガスを流すための
金属製チューブの配管作業。ガスボンベよりも、ビール工場にラインを直結させればビールがたくさん飲める・・・と考えていた事は、恥ずかしくて口にはできないけれど。
6/27/06
数ヶ月ぶりにMySpace にアクセスしたところ、知らないうちに何通かのメールが来ていた。言わずもがな、見知らぬ人が無差別にメールを送ってくるのは日本と同じ。しかし、そん中に"I think you're cute. Tell me if you like me?" と書かれた物を発見。5年ほど前のコアラを抱いた写真を見て書いたのかどうかは定かじゃないが、ちょっとびっくり。ちなみにその彼女の写真はDOULIKE と言うサイトにも登録されている。実験が忙しいとうそぶいている私も、この手のサイトをうまく活用すれば、金髪のお嫁さんが見つかるかもしれない。
6/25/06
M 新聞が研究者の不正について論じていた。不正を肯定する気はないが、この社説、現実を全く把握していない。そもそも、研究は年間を通じて行うのに文科省からの研究費が使えるのは7月から1月末。それに加え、研究費を獲得するには、研究内容や業績だけでなく政治力も必要。つまり、第三者と結託し、予算が獲得できた際にそれをプールしてしまう輩が現れる事は、必然以外の何物でもない。不正の源には、必ず複数の理由がある。それを「研究者のモラル」の一言で片付けるには、ちょっと無理があるように思う。
6/18/06
こちらでは、昨日、学部生の卒業式があったようで、大学の暦という意味では今週から夏休み。しかし
UCLA では、学部生のいない夏休みは、バス運賃が割引かれなくなるとか。正規運賃の
75c は日本の半額以下だが、普段の
25c と比較すると三倍増。さらに
UM では一年中無料で乗れた
A2 のバスのことを思い起こすと、
UCLA はケチだ、と感じずにはいられない。昼間はともかく、真夜中に40分も歩いて帰る訳にもいかないので、バスを利用する事には変わりはないが、なぜか釈然としないのは私だけだろうか(←わがまま?)。
6/16/06
今週は、とある装置のインストールで完全に潰されてしまった。単に拘束時間だけの問題ならいいのだが、どう控えめに見ても彼らは、自社の装置を十分に理解していない。結局、最後は時間が足りなくなり、装置の動作確認すら終えられずに帰ることになったのだが、作業終了報告書にサインをして欲しいとのこと。発注した部品すら完納されていないのにサインする理由は見あたらず、(お人好しの私でも?)迷わず拒否。こんな会社がつぶれずにすむのは、強力な競争相手がいないからなのだろうか?
6/14/06
家に帰ってから、テレビのチャンネルを何気なしに変えていたら、「元々はミシガンで・・・」と言う言葉が耳に入ってきた。何の事かと思ったら、Ann Arbor(A2)のダウンタウンで何回か食事をしたことのあるモンゴリアンBBQ の紹介だった。テレビに映っていたのが、A2 の店なのか否かは分からなかったが、思いがけない映像は、数ヶ月前まで暮らしていたA2 を思い出すには十分。もっとも、特別おいしい物が食べられる訳でもないので(大勢で楽しく食べるための所)、お腹の方は、映像だけで十分と言うのが本音かもしれない。
6/13/06
こちらのバスの運行状況は、お世辞にもほめられた物ではない。ダイヤの乱れは仕方がないが、始発駅で待っているのになぜか運休?という事もある。さて、そんな今日のBigBlueBus は、交通渋滞に巻き込まれるうちに、10分程前に出発したバスに追いついてしまった。ここまでは日本でも見かけた光景だが、その後、2台のバスが、同じ停留所にとまった際に、もう一台のバスから乗客が乗り込んできた。折り返し運転をせねばならないのは分かるが、運転を打ち切ってしまうとは・・・。アメリカとは、こんな時だけ合理的な国である。
6/11/06
最近、ミシガンから税金の払い戻しのための小切手が送られてきた。はて、ちゃんと銀行の口座番号を書いたはずなのに・・・と思い、中身をよく見たら、銀行口座に振り込めなかったと書いてある。言われてみると、かなり前にAmazon に頼んだ本もまだ届いていない。そんなわけで銀行+カードがらみのトラブル再発を疑ってみたが、後者は正常に引き落とされていた。分かったのは、またもや原因不明の問題が発生したと言うことだけだが、このようにLA でトラブルが頻発する理由を考えると、夜も眠れなくなりそうである。
6/10/06
ラボのある院生は最後のTA を終えた時、学部生から寄書をもらったそうだ。同様の話を時々耳にするという意味で、アメリカでは、このような形の謝意は決して珍しくないのだろう。方や日本では、師弟関係が強調されてしまい、真の意味で教師が学生に感謝される事は少ない(気のせい?)。やる気のある学生の才能を引き出すと言う教育(education)の原義を、教える側さえもが理解していない事がその一因なのだろうか?件の寄書は、教える側の役目、そして教える事の難しさについて再考する機会を与えてくれたように思う。
6/8/06
同じ学科の某ラボの人々と飲みに出かけた後、二次会としていつものバーに数人で移動したところ、小さな部屋でコメディショーをやっていた。ブラックジョーク、下ネタ満載のトークなどが続くから、私なんぞ話のどれ程が理解できたことか。そんな訳で、周囲のアメリカ人が笑っているのに、一人だけ取り残される事もしばしば。コメディアンの卵には「自分の世界で楽しんでね・・・」なんてネタにされてしまったが、あれは普通の日本人には理解不可能。学会・論文用の英語だけでアメリカ生活を満喫するのは無理な相談のようである。
6/6/06
6と言う数字が3つ並んだ今日の日付と、聖書に書かれている悪魔の数字にちなみ、テレビでもくだらない特集を組んでいた。ニューメキシコからユタにかけて続くRoute 666 の映像を流したり(しかし、来月には名前が変わる)、"Does your name add up to 666?" なんて言うサイトを紹介していた(名前のASCIIコードの総数が666 になるかどうかを判定する)。悪魔の数字と言われても、聖書にあまりなじみのない私にはぴんと来ないが、アメリカでは、これもちょっと遊んでしまいたくなる数字の一つと言うことなのであろう。
6/5/06
家の冷蔵庫にビールがあるが、栓が開けられないとぼやいていたら、某ポスドクがカナダの学会のお土産として、栓抜きを買ってきてくれた。栓抜きの値段なんてたかが知れているが、(1) アメリカのビールの栓は手で捻って開ける物もあるのに加え、(2) ミシガンでは、台所の収納棚のレール部分が栓抜きの代用品として機能していたので、栓抜きなしで二年以上過ごせてしまったのが事の起こり。でも、こんな具合にぼやき続けると誰かが助けてくれるなら「金髪のお嫁さんが・・・」と言い続けてみるのもいいかもしれない。
6/3/06
6月上旬なのに、今日の最高気温は約94 F(34℃)。日差しの強さはミシガンの比じゃないので、太陽の下にいるとかなり暑い。そんなこともあり、アパートのプールでは数人の金髪のおねーちゃんが泳いでいた。敷地内とは言え、水着姿に見とれている訳にもいかず、後ろ髪を引かれる思いで撤収。冗談はさておき、最近の気温の上昇に伴い露出度の高い女の子を見る機会が増えた結果、目のやり場に困る事もしばしば。エセ米国人になるには、そんな誘惑に過剰反応を示してはいけないのだろうが、そこまでの道のりは遠く感じられる。
6/2/06
夕方、Beer Tasting なる物があった。UCLA では、年に数回こんな企画があるようで、今回も色々なビールが用意されていた。もっとも、真の目的は、学生にビールを飲ませることではなく、研究室ごとの交流を深めることだが、この手の企画、UM では見かけなかったと言う意味で、ちょっと新鮮。ちなみにこれ、私にとっては、日本のT大とW大の関係によく似ている。よく飲み歩いていたT 大の隣のラボの人々とは、今でも連絡を取り合うことがあるという意味で、研究室間の交流の重要性を改めて確認できたような気がする。
5/31/06
LA に引っ越してきたとは言え、何でもすぐにLA に馴染めるわけではない。少なくとも、スポーツに関しては、ミシガンのチームに対する思い入れの方が強いので、終盤にさしかかってきたNBA playoffs でも、密かに(?)Detroit Pistons を応援している。とはいえ、デトロイトとの時差は3 時間。夕食を取る頃には試合は終わってしまうので、試合に勝った日だけ、真夜中の再放送をチェック。いずれにせよ、最近、完全に失速してしまったPistons、Final 進出に向けて、残りの2 試合も頑張ってもらいたいものである。
5/27/06
朝からコーヒーばかり飲んでいたら、夕方になって、頭が痛くなってきた。長時間PC を使っているのも一因だろうが、コーヒーの
利尿作用によるある種の
脱水症状と言うのが本当のところかも知れない。脱水症状で思い出すのは、酒の飲み方。アメリカでは、何も食べずにひたすら飲む人が多いが、西洋人の全てがザルと言うわけでもないので、ビールの合間に適当に水分を補給することで、体を労っている人をよく見かける。Finger food と違い水はタダなので、貧乏人が安く飲むにはいい方法かもしれない。
5/25/06
日経のある記事に、「目先ばかり追う風潮は危うい」と書かれていた。これは否定しがたい事実で、数十年後も日本の技術が世界的に高い水準を保てる保証はどこにもないと思う。成果を求める必要はあるにせよ、リスクを負わずしてブレイクスルーは得られない。その意味で、新しい技術の確立には、絶対にこれをやり遂げるという執念に加え、その方向性が正しい限り、研究をサポートする寛容さ(資金や時間)が必要不可欠。何が成果かも分からぬ輩が「結果を出せ」と叫んだところで、使える技術(や研究者)は絶対に育たない。
5/23/06
アメリカの某自動車会社で働いている知人が、爆発事故にあっていたらしい。何かの手違いで硝酸とエタノールを混ぜてしまった事に端を発するのだが、彼は何を血迷ったのか、その容器に蓋をしてしまったそうだ。その後、加圧状態に至ったガラスの容器が爆発し、部屋の中はNO2 がモクモク。さらに、彼のお腹や腕は、爆発したガラス容器の破片がたくさん突き刺さったため、病院で数時間に渡り手当を受けたとのこと(骨の一部も砕けたとか?)。幸い命に別状はなかったものの、薬品の怖さを再認識するには十分な惨事である。
5/21/06
某テレビ番組で、美容整形手術の様子を流していた。今回手術を受けていた女性の一人は、13 歳の頃から色々な方法でダイエットを試みたがどれもうまくいかず、最後の手段(?)として、脂肪切除&豊胸手術を選択したらしい。ステーキ5〜6 枚分にも相当しようかという、切り取られた脂肪(おなかの皮膚つき)は気味の悪い物体だが、術後の、明るくなった彼女の表情を見ると、彼女にとっては、これもまた一つの解決法だったことが分かる。こんなに簡単に手術が出来るなら、私も脳みそを増やして貰おうかな?(ウソ)
5/20/06
アメリカでは、基本的に住所が存在すれば、宛名に関係なく郵便物が送られてくる。結果的に、昔の住人に宛てた郵便物を受け取る機会が意外に多くある。ホンダのディーラーからのカタログなんて言うのはつまらない物の典型だが、People Magazine (雑誌)やVictoria's Secret のカタログのように、どう扱うべきか悩んでしまうものが紛れている事がある。そして、どうでもいいものを配達してくれる割には、再配達を依頼した私宛の郵便物は行方不明に。世の中、なかなか思い通りにいかないものである。
5/18/06
大学の掃除のおじさんは典型的なメキシコ人(ヒスパニック系)なのか、いつもご機嫌に見える。そして毎日、ゴミを集めながら、色々と話しかけてくる。彼の英語はお世辞にもうまいとは言えないが、意外にも、いくつかの日本語のフレーズを覚えているようで、「おなか空いた」とか「疲れた」と、こぼしてばかりいる。私はスペイン語なんて知らないが、そんな彼に「アディオス」と言ってみたら、ちょっと喜んでいた。外国人と仲良くなるには、彼らの挨拶言葉を口にすると共に、彼らの文化を理解することが重要なのかもしれない。
5/16/06
最近、web 上で「格差社会」と言う文字をよく目にするが、明らかに人種差別が存在するアメリカで生活している訳でもないのに、格差を問題視する人が少なからずいるのは噴飯もの。「高い給料を貰うほど、解雇される確率も上がる」と言う当たり前の事が理解できれば、いわゆる勝ち組の人々が、失職を恐れて必死に働く事は容易に理解できる。日本で言われる格差など、アメリカの格差からすれば微々たるもの。格差について論じる事は、人間の能力と権利の区別すらできない輩の、単なる甘えに過ぎないと私は思う。
5/15/06
LA の最高気温が、ミシガンのそれとあまり変わらない事がある理由が、ようやく分かってきた。中学校で習ったように、地中海性気候(Cs)に分類されるから・・・と言うことではなく、どうやら、局所的な地形が大きく関係しているらしい。つまり、内陸部の気温は確かに砂漠気候(BW)を連想させるが、UCLA や私の住むSanta Monica 一帯では最高気温が5〜10 ℃ 低い。年間の温度変化の幅が小さいので、ミシガンより過ごしやすいのは事実だが、この辺りが亜熱帯気候に属すると言う認識は改めねばならないようである。
5/14/06
下(↓)でも書いた装置に関連し、二人の学生さんに簡単な仕事をお願いしたのだが、これが全く進まない。基本的な実験操作法を習得していれば、決して難しい事はないはずなのに、二人で何を相談したのか、意味不明な操作の連続。こんな事なら自分でやった方が早いが、彼らを教育することも任務の一つなので、あっちへ行け、とも言えない・・・。結果、使えない学生さんとの仕事は、一部の化学反応と同様、私の意に添う事はない、というのが今回得た教訓。どんな人をも懐柔する能力を、私も身に付けたいものである。
5/12/06
不幸にも、ある装置の責任者にされてしまった。むろんその基本的な事は理解しているが、合計5 台のおもり(よく故障する)に加え、理論の勉強(学生の教育も必要)をこなす事になれば、自分の実験をする時間など確保できるはずがない。かといって、学生に測定法を教えたところで、それが私の業績になる事もない(ボランティア)。業績がなければ、次のポストどころじゃないだけに、すでにお先真っ暗。多くの仕事が一部の優秀な人(?)の所に集まる事はよくあるが、私を追い出すためのボスの策略かと、勘ぐりたくもなる(笑)。
5/10/06
バスの中で、日本人の女の子二人組に出会った。彼女たちが言うには、最近こちらにやってきたばかりで、現在は、語学学校で英語の特訓をしているらしい。ある程度英語が理解できるようになったら、こちらの大学に通うとのこと。職業柄、日本からやって来る人の大部分は、J ビザのポスドクだと思いこんでいたが、それは大きな誤解だったことが判明。日本の英会話教室にすら通ったことのない私には、LA の語学学校に通うことすら理解の範疇を越えていただけに、そんな夢を聞き、妙に感心させられたのは言うまでもない。
5/8/06
大学のUnion で夕食を取った際、Panda Express のおばちゃんに、このsoda(= Coke)あげるよ、と言われた。何かの手違いによる産物だが、閉店間際だったので売りつけるべき学生がいなかったと言うことなのだろう。しかし、受け取ったsoda のカップはジャンボサイズ。氷もたくさん入っているとは言え、その総量が1.2 L にもなれば、ビールのように飲み干せる理由は見あたらない。これだけ飲まないと満足できない人がいるのは、私には理解しがたい事だが、カップがあると言うことは、一応、需要もあると言うことなのであろう。
5/6/06
海外でプレーをするスポーツ選手が日本に戻ると言う話を耳にするたびに、これは他人事ではない、と感じる。予算や物理的な制約が存在する限り、集団に利益をもたらさない者が切り捨てられるのは自明の理。まじめか否かなど、問題ではない。このようなクビと背中合わせという問題(恐怖感?)は、ひも付き研究者として海外に行くだけでは、実感することも無いであろう。一般的には"出戻り"と称されやすいスポーツ選手の帰国だが、そんな結論を出すに至った過程における彼らの苦悩が、私には分かるような気がする。
5/4/06
某テレビ番組で、日本のパチンコ店を紹介していた。私には珍しくも何ともないが、こちらでパチンコ店を見かけないと言う意味で、アメリカ人には新鮮に映るのであろう。もっとも印象的だったのは、どうやって換金するかと言う件。日本のパチンコ店では、換金が非合法だといいつつ、しっかりと、小さな小箱を受け取っている人を映していた。そして、店からちょっと離れたところに、換金所があるという説明も。この「三店方式」、海外テレビのネタにはなるのかもしれないが、無駄なシステムであることに変わりはなさそうである。
5/2/06
最近、ラボに新しい日本人がやってきた。彼の諸手続きを手伝いながら感じたのは、彼はどんなキャラか?なんて事ではなく、私自身の性格が、以前とは違うものになっているかも知れない・・・、と言うこと。むろん、本人にはそれを確かめる術はないけれど、2 年半もこちらにいたら、何かがおかしくなったとしても不思議はない。とは言え、中途半端に変化してしまうと、日本とアメリカの両方に適応できない人間になってしまう危険もあるだけに、変人(?)になるなら、トコトンそれを極める必要があるのかもしれない。
5/1/06
ある豪州人からの質問メールがボスを経由して舞い込んできた。雑用が迷惑なのは言わずもがなだが、もっとも腹立たしく感じたのは、最後の"Can you please give us some quantitative comparison so we can tell if this new system is actually any better than existing technology?" と言う件。それぞれの研究(材料)の特徴を掴んでいればそんな質問がでる事などありえないだけに、ろくに調べもせずに定量的に説明しろと言っているのは明らか。できる事なら"That's stupid and pointless..." とでも返信したいものである。