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LA に長期滞在 (2008.5〜2008.6)


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6/29/08
    日曜日の夕方になり、同じ学科の学生からメールが。時間があるならOral exam のスライドを見て欲しいとのこと。彼女は、私がその発表の中身に近い研究をしていた事を知っているのだが、よそのラボの学生のお手伝いをすることになるとは・・・。肝心なスライドの中身は、考え抜いて作られた物と言うにはちょっと無理があるが、明日が本番となると、大改造を施すには手遅れ。もっと早くからラボの人々の知恵を拝借していれば良かったんじゃないかと感じたが、そんな手厳しいコメントをする人が、ラボにはいなかったのだろうか?

6/28/08
    先日、5 年越しの論文の査読結果が戻ってきたのだが、そのあまりに肯定的なコメントにちょっと拍子抜け。難癖を付けにくい論文の構成というのも一因にせよ、ボスの名前のなせる技であることは疑う余地も無いであろう。さて、その論文のお祝いを兼ね数人でK-town へ。典型的な韓国のバーと言うことなのだが、どこが特徴的なのか・・・?言われてみると、広々とした空間と言うのは日本やアメリカのバーでは見られない物のような気がするけれど、ビールが進むにつれ、そんなことはどうでも良くなってしまったのは言うまでもない。

6/26/08
    久々にある装置を使ったら、測定の途中で応答がなくなった。しかし問題は、故障よりも、復旧方法を書き記したはずのメモが、机の上に渦高く積まれた書類に紛れ、行方不明になったこと。たしかに、机の上にあるはずの論文が見あたらないと、新たに印刷する事も多いので、書類の山の高さは指数関数的に上昇中。遅かれ早かれ、何らかの対策を練らねばならないと言うことなのだろう。むろん、これらを一掃するには、職業を変えるのが手っ取り早そうだが、あまり現実的な解決法であるとは言えないのが、私の現況である・・・。

6/25/08
    水道局から来た手紙に、LA では、水の利用に関し、いくつかの禁止事項があると書かれていた。ここでは常識の範囲内なのかもしれないが、水を歩道で使うこと、昼間(夏場だと10-17時)に芝生に水をやること、循環装置を使わずに噴水を作動させることなどが禁止されているとは、日本人の感覚では理解しにくい。そして未だに信じられないのは、"Serve water to customers in eating establishments, unless requested" と言う項目。レストランで水が出てこないのは、単にサービスが悪いからではなかったと言うことのようである。

6/23/08
    バスを待っていたら見知らぬおばさんが話しかけてきた。私が日本人だと知ると、浅野忠信の主演したモンゴルの映画について語り始めた。彼女の話を聞く限りは、私が勝手に想像していたストーリーとはちょっと様子が違っていたが、ずっと映画の話を聞かされるのも疲れるので「映画はあまり好きじゃない」と言ってみたところ・・・。予想に反し効果なし(笑)。ちなみに彼女、北京と香港に計7 年間もいたらしい。それだけ中国に住んでいれば、アジアに関連した映画に対する思い入れが強くなるのは無理もないのかも知れないが。

6/22/08
    ふとしたことから、昔は一日6-8 時間(?)の授業を受けていたけれど、今となってはそんなに長い時間、教室でじっとしているのは不可能だと言う話題になった。むろん、私が小学生だった頃、本当に授業に集中していたのかと問われれば、そんなことはないと断言できそうだが、少なくとも、今ほどの誘惑がなかったことは事実であろう。つまり、「ちょっとコーヒーでも・・・」と抜け出せる環境にはいなかったという意味で。単に昔に比べると落ち着きがなくなっている、と言うことじゃないといいのだが、本当はどうなのだろうか?

6/20/08
    C&EN に、論文の不正に関することが書かれていた。不正とは言え、データ捏造ではなく、無断引用程度なら、それらを見つけ出すのは簡単ではないらしい。究極的には投稿された論文の中身を、データベースと照らし合わせるべき・・・、と書かれていたが、どの程度の一致度から不正になるのかの線引きは難しそう。ただ、最近は、論文の参考文献もネットでリンクされているので、研究者自身が類似度を見抜く機会は以前よりは高いはず。その意味での自然浄化作用を期待するというのが当座の所、現実的なのかも知れない。

6/18/08
    某学生の博士課程進級試験(oral exam)があった。修士すら取っていないのに、彼の能力はラボの平均的なポスドクをはるかに凌駕。今後が楽しみ、と言うよりも末恐ろしい気が・・・。そんな学生がボスのお気に入りにならない訳はなく、発表終了後は、ボスの懐からお金が出てきた。◆お金に関することと言えば、タンクローリーを見たバスの運転手が、expensive car と言っていたのが印象的だった。最近のガス代はガロンあたり$4.69。その割には、学生が運転を控えているようには見えないのがちょっと意外なのだけれども。

6/16/08
    部屋の中から、白っぽく湿り気のある細長い物体を発見(真ん中)。そんな物は、買った覚えもなければ、作った覚えもない。何が起きたか分からないまま周囲を見渡したところ、ちょっと離れたところから、更に二つのどこかで見たことのある物体を発見。どうやら、元々は、乾電池を構成していたらしい。しかし、未だに分からないのは、どうやってバラバラになったのか。電池を洗濯機に入れた記憶はないし、(液漏れは起こせど)使用済みの電池が爆発して三つに分解するとも考えにくい。世の中には不思議なことがたくさんある・・・。

6/14/08
    DC から戻ってみたら、あるメンバーがいなくなっていた(クビ)。もっとも、彼の場合は、この数月間ほとんど何もしていなかったことに加え、ボスと彼の国の両者から給料を二重取りしていた事まで発覚。弁解の余地すら残されていなかったというのが実情だろう。◆今回の出張期間中にSmartphone を目にした事の多かったこと。家とラボを行き来しているうちに、時代の流れに取り残されてしまった気分だが、メル友すらいない私には必要ないって?そう言われると、来月発売のiPhone が意味もなく欲しくなってしまうのだが(笑)。

6/12/08
    今回の会議では、発表内容を第三者が評価すると言うのが表向きの話。しかし、実際にはお役人を納得させるため、多くの発表者が聞こえのいい話に終始していたような気がしてならない。つまり、どうやってグループを運営しているか、こんな実験をすればきっといい性能が期待できる、と言った感じで。もっとも、元締めのお役人は、本質的な問題点をほとんど理解していないので、有識者が酷評しない限りは(その研究分野を潰さないためにも通常は手加減する)、予算の無駄遣いと言う悪循環が断ち切られることはなさそうだけれど。

6/10/08
    報告会とは言っても所詮は同業者の集まり。案の定、知り合いや論文でよく名前を見かける人があちらこちらに。私も、たまたま話をした人から、論文を見たと言われたことを考えれば、成果を発表し続けることが、周囲に認識してもらうための第一歩なのだろう。しかしそれ以上に重要なのは、おそらく、発表なんか聞かずに(?)名前を売り込むために走り回ること。もちろん、欧米人のように、どこでも会話に入り込む習慣を持たない我々にとっては簡単じゃないが、仕事の一部と割り切って図々しく振る舞うしかないのかもしれない。

6/9/08
    無事にDC に到着。結構涼しいのかと思っていたが、ここ数日の異常気象のため、最高気温は96 F。もう少しお手柔らかに願いたい。ホテルまでの道のりを見るに、予想以上に緑が多いのに驚いた。LA よりはリラックスするのに良さそうだが、庶民を受け入れる家賃なのかどうかは不明。ホテルのエレベーターは、部屋のキーを差さないと、行き先の階が押せないようになっていた。セキュリティを保証しているのかも知れないが、ネットのセキュリティーも同様に高かったようで、なぜかネットに繋げない。これをアップするのは数日後か?

6/8/08
    明日からのお出かけ(でも、観光の時間は無さそう・・・)の準備もせねばらならいというのに、いくつか論文の草稿を受け取ってしまい、四苦八苦中。それなりにうまく話が組み立てられていればまだいいのだが、そもそも構成から考え直さねばならないんじゃないかという次元なので、読み進めるうちにイライラが募ってしまう。これは歴とした、私に対する嫌がらせなんじゃないかと被害妄想を広げてみたが、そんなことを考えながら、現実逃避に走っても仕方がない。どうせ、私が書き直せばいいんでしょ〜(少し投げやり気味?)。

6/6/08
    今週も何をしているのかよく分からないうちに過ぎ去ってしまった。もちろん、何もしていなかった訳ではないのだが、目に見える形で・・・と言う意味で。目に見える成果という意味では、今日のゼミを担当したポスドクの発表もひどかった。実験はしていたけれど結果のない人と、本当に何もしていなかった人を比べれば、前者の方がましに見えるが、考えもなく実験をしている限り、まともな成果が期待できる理由はどこにもない。ちなみに、書き物に追われ実験どころではない私は、後者の人と紙一重。この閉塞状況を打破せねば・・・。

6/4/08
    最近、ボスの甥っ子(それもボスと同姓同名!)が、夏休みを利用して、ラボで実験をしている。まだ16 歳なので、研究と言うよりは、「お手伝い」と「邪魔」の中間のような物だが、当時の私の状況(熱意)と比較すると、この時点から大きな差が付いていた事を認めざるを得ないであろう。それはさておき、ボスの甥っ子に対する接し方をそれとなしに観察するに、我々に対するコメントと同様のことを、彼にも言い続けているのは印象的。予想以上に、表裏なく接しているという点は、私の当初の予想をかなり裏切ってくれたように思う。

6/2/08
    今まで全く気付いていなかったのだが、こちらのテレビも来年の2月でデジタル放送に移行するらしい。打ち切られるのはアンテナ放送だけなので、多くの人が利用している(はずの)ケーブルテレビで視聴する分には何の影響もないのだが、今のテレビの使用期間(約5 年!)を考えれば、プラズマテレビに買い換えてもいい頃かも知れない。冗談はさておき、日本でデジタル放送への移行が問題視されるのは、ケーブルテレビのエリア普及率そのものが決して高くない事が、意外に認識されていない理由の一つなのだろうか?

6/1/08
    アメリカ化学会の雑誌は日本化学会のそれよりはるかに注目度が高いが、それでも、雑誌の利用価値を高める方法を模索しているらしい。そんな試みの一つに論文をmp3 化してしまうという物が含まれていた。比較的ゆっくり読んでいるので、外国人にとっては情報収集のみならず、化学英語の勉強にもなるんじゃないかと言うのが私の感想。いずれは、図を含めた論文全てがiPod で見られるようになるんだろうが、そこまでしないと生き残れないような競争にさらされるならば、そんなに便利にならなくてもいいかもしれない。

5/30/08
    州の税務署からお手紙が。彼らがお金をくれる理由はないと知りつつ中身を見たところ、以前に計算した税額が過少申告になっていたので、もっと払えと書いてある。確かに、昨年と同じような計算をした割には、天引きの不足分が異様に少ないと感じていたのは事実なので、どこか間違っていたのだろうが、もらってうれしい請求書じゃないのは確かである。でも、こうやって納税額を再計算しているなら、申告書の作成で悩むのもばかばかしい話。来年は、計算せずに適当に申告しようと目論んでいるとは口が裂けても言えないけれど。

5/28/08
    Shinjo Ito 展が大学のそばで催されている。係の人に招き入れられるまで彼の名前すら知らなかったのだが、伊藤真乗生誕100 年記念展だったとは。勉強になりました。◆某コーヒー屋へ行ったら、店員が窓を拭いていた。しかし、彼の手に握られていたのはコーヒー用のフィルター。それで濾せば黒い液体が出てくるかも知れないが、正しい使い方ではないはずだ。◆論文の共著者をめぐり某学生にからまれた。知的貢献度ゼロのくせにと感じたが、英語でやりあったら負けるので、紳士的に反論。彼が納得したとは思わないけれど・・・。

5/26/08(祝)
    論文が載ったのを契機にNature を購読しませんかというお手紙が来た。でも二度とお世話になることは無さそうなので、そんなお誘いには乗りません。◆キャンパス内で学生のID カードを発見。落とし主の住所や電話番号が、web で簡単に検索できるとは便利な世の中になったものである。調子に乗った某省庁の職員が個人記録を盗み見しちゃう気持ちが分からなくもない。◆今日はMemorial day。こちらにいるからには、戦没者を敬うべきなのだろうが、身近なところに戦死者がいるという実感は、良くも悪くも、ほとんど無い。

5/24/08
    某学会誌の原稿を書くように頼まれたのがおよそ三ヶ月前。それだけあれば2 ページなんて簡単、と思いこんでいたが、とんでもない誤りだった事に気が付いた。そもそも、高校の理科の先生という読者層のレベルが分からないので、どこまでかみ砕いて説明すればいいのか見当が付かない。加えて、その中身が彼らの興味の対象なのかを考える出すと更に不安に。結局、問題になるのは、日本語表現を覚えているか、ではなく本文の内容。普段の英語の論文と同様、仕上げるのにかなりの時間を要したことは言うまでもない。

5/22/08
    アメリカ人の年収が話題に上がったついでに、その額(一家の収入)をネットで調べてみたところ、およそ$48K だった。意外だったのは、高所得層ほど共働きの傾向が強い点と、地域による収入差が二倍弱もあったこと(NJ の平均はMS の約二倍)。見方を変えれば、一人で$100K 以上稼ぐ人は少数派と言うことなのだろう。なお、一見、それなりに見える私の収入だが、Ph. D. を持つ人々の平均値($90K 以上)と比べると、まだまだ改善の余地がありそう。今にも増して仕事が増えるなら、無理に上げてもらう必要はないけれど。

5/20/08
    いつの間に増殖したのか、ラボには6 人もの中国人がいる。その中の何人かは、一人っ子政策の申し子なのだろうか、(一部の中国人にとっても)些かわがままで自己中心的と映る。そんな事もあり、その6 人の中での階級付け(Princess、Prince、運転手など)をして遊んでいたところ、その序列があまりに的を射ていたためか、ある中国人に"You are too mean." と言われてしまった。そうは言っても、彼らの一部がPrince なんて呼ばれちゃっている事を全く自覚していないのが問題。だって、ここは中国ではなくアメリカなのだから。

5/19/08
    ラボにいたら、ボスがちょっと外へ行こうと誘いに来た。通常こんな時は、ラボのメンバーには教えられない事が話題になるのだが、今回も想像に違わず、答えに窮する質問が飛んできた。夕方になってから、今度は学生が、ちょっと相談したい事が・・・という。ボスの話とは無関係だったが、これまたここには書きづらい内容だった事は言わずもがな。話相手になるのはいいけれど、いろいろ知ってしまうと、何も知らない振りをし続けるのも一苦労。これも人徳者になると言うのは(ウソ)、何かと苦労が増える事の一例なのだろうか。

5/17/08
    アパート内に24 時間営業のballet parking が出現したのが約一月前。真夜中も係員が常駐していたとはいえ、アパート内の駐車場の空き地の有効利用が真の目的だったのか否かは未だに不明。人を付ける事で、警備の役割を果たそうとしているのかと勝手に想像していたところ、今日になって、parking が忽然と消え去っていた事に気付いた。駐車場内の車の数も減っていたから、顧客はいたようだが、採算が合わなかったということか?真夜中は車の中で寝ていた彼らじゃ、警備員としては意味を成していないようだったから。

5/16/08
    中国での地震でなくなった人々に祈りを捧げるため、中国人の学生たちがキャンパス内に集まって、蝋燭を灯したらしい(それと同時に、募金活動も行っているとの事)。良くも悪くも、何かあると必ず(?)団結するのは中国人。日本人も時には見習った方がいいような気がしないでもない。なお、某学生が言うに、今回の日本から派遣された救助隊は、かなり好意的に受け止められているとの事。災害が起こらないに超した事はないが、日中関係もパンダなんかに頼らず、正攻法で好転させるべきだと感じたのは私だけではないと思う。

5/14/08
    先日久々に髪を切ったので、首筋が心なしか涼しい気がする。いつものスターバックスでも、店員に髪切ったの?と言われてしまった位だから、随分短くなったのだろう。ちなみにラボでは賛否両論。◆そういえば、いつもの美容室には、小さな液晶テレビが座席ごとに設置されていた。半年とは何かが変わるには十分な時間と言う事か。◆夕方、ラボの学生の両親が経営している日本料理店を襲撃。多少はサービスしてもらった物の、一人あたり$40。日本料理は利ざやを稼ぐにはいいという学生の直感は、当たっているように思う。

5/12/08
    優れた研究成果をあげたPD に対する表彰式があった。ラボの一人が受賞した物の、ラボでの複雑な人間関係故に、必ずしもメンバーから祝福されないという皮肉な結果に。さらに、どうして(私は)応募しなかったのかと、数人から聞かれる始末。選考では、いい雑誌に論文を出したかを見るのだから、この結果は自然なはずだが。私の方が優秀なんじゃないかと言っていた人に限って、ボスに使えないと思われている事を考えれば、次は俺が取る、と言う野心がない様では、研究者としての大成は難しいという事なのかもしれない。

5/10/08
    本来ならば、知人の結婚式に行く予定だったのだが、結局都合が付かず断念。アメリカ人の結婚式に招待される事などそう多くはないだけに、ちょっと残念。先日の学会の際、短時間ながら新郎にお目にかかる機会に恵まれたのがせめての救いであろう。なお、こちらの人の話を聞くと、招待されても出席しない人が意外に多いとか?予め、出席の確約を得てから招待状を発送する日本のやり方とは、些か温度差があるように感じる。むろん、日本人がどれだけ披露宴ビジネスに毒されているかを垣間見るには十分な差違だけれど。

5/9/08
    論文の共著者に意味がよく分からないと指摘された部分の表現を、アメリカ人の学部生に頼み、直してもらおうと目論んだのだが、彼自身、どう書き直せばいいかわからず、苦労しているようだった。確かに、彼の表現は文法的には正しいようなのだが、論文の一節として適切なのかという意味では、私の目から見ても心許ない。そんな訳で、さんざん時間を使わせた物の、最後は自分で書き直してしまった。こんな感じで、一向に進まない私の論文作成だが、この英語力でそれなりの完成度を求めると、これも当然の帰結なのであろう。

5/8/08
    大統領の予備選も、ここまで長引くと興味も薄れてきてしまうが、オバマが大統領になった時に暗殺される可能性について、某学生に聞いたところ意外な返事が返ってきた。オバマがメキシコ系の副大統領を選べば、万が一暗殺された場合に短期的であれメキシコ人の大統領が誕生する。でも白人にとっては、メキシコ系の大統領の誕生もあまりありがたい事ではないので、副大統領を注意深く選べば暗殺されずに済むというジョークがあるらしい。良くも悪くもこんな話を聞くと、日本の総裁選がいかに退屈か分かるような気が・・・。

5/6/08
    時々ラボに来る研究生と話をしたのだが、私が負けそうになるくらいよく勉強している事に驚かされた。彼の守備範囲内の分野だったからそこまで食いついてきたのだろうが、学生時代の私は言わずもがな、日本で見てきた大学院生の多くと比べても、残念ながら格が違う。そんな学生の存在が決して珍しくないのがこの国のすごいところ。彼らが第一線で必死に仕事をしようものなら、一般的な日本の研究機関では太刀打ちでき無くなるだろうから、彼には、働きすぎず、ちゃんと長期休暇を取るよう強く勧めておく事にしよう(笑)。

5/5/08
    先日、某プロジェクトの報告書を提出し、これでちょっと一息と思っていた矢先に、DOE の担当者からスライドを手直しするよう要請があったらしい。何の進展もなかったこの一年の成果を、きれいな絵でごまかそうとしたボスの目論見が外されたのは、相手が一枚上だったからなのか?もっとも、原案として私が作った科学的な考察を含むスライドを(説明できそうにないという理由で)悉く消し去った故の顛末と考えれば、どちらに非があるかは言わずもがな。結果が無い場合も、誠意を持って対処するより外はない事はほぼ確からしい。

5/3/08
    テレビによると、ここのところのガソリン価格の上昇のため、GM や Ford のSUV は30% あまり売り上げが落ちているそうである。代わりに売れているのは、Prius で、前年度比で67% 増だとか。トヨタにとってはおいしい話なのだろうが、何かと個性が大事にされそうなこの国で、ガス代の高騰ゆえに、全ての車があの同じ形をしたPrius になったら・・・なんてことを考えると、おかしくて笑ってしまう。毎日車に乗る訳じゃなければ、Hummer を買っても月当たりのガソリンの消費量に大きな差は出ないような気もするがどうなのだろうか?

5/1/08
    明け方に、大学の前を歩いていたら、背後から車がやってきた。大抵は、Emargency(大学病院)はどこ?と聞かれるのだが、今回は意外にも、"Are you doing OK?" と言う言葉が耳に入ってきた。結論から言うと、車で家まで送ってもらったのだが、その声の主は、心理学を専攻している学部3 年の女の子。そんな話をラボでしたら、なぜ連絡先を聞かなかったんだと、数人に諭された。"I owe you for coffee..." と、とっさに出てくる位なら、未だ独身でいるはずがない。私に必要なのは出会い(?)を活用する技術のようである。

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