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Saudi Arabia 訪問記 #1

 ボスがサウジアラビアでも共同研究を始めたようで、現地のラボの立ち上げのお手伝いと言うことで、サウジアラビア(赤いピンの場所)にある石油鉱物資源大学(King Fahd University of Petroleum and Minerals(KFUPM))へ行ってきました。宗教+文化上の問題(女性を写すのは論外、男性もプライバシー等の理由から、断りなく写真を撮られることを嫌悪する)もあり、あまり写真が撮れなかったのが残念ですが、本人の備忘録として、現地の様子を書き留めておきたいと思います。

[訪問記 #1] [訪問記 #2]


ビザの取得に手間取る・・・
 サウジアラビアに行くのに何が大変って、ビザの取得。KFUPM の人が証明書のような物を送ってきたので、これがビザかと思っていたが、それはとんでもない間違いだった。メールをよく見たら、サウジ領事館でendorse してもらえと書いてある。その後、検索するうちに、だんだん状況が分かってきたのだが、最後にとどめを刺してくれたのはここ。色々な書類が必要ではないか・・・。そもそも、ビザを取る前に、旅行予定を書き込み、それを証明する手紙を雇い主に書いてもらわねばならないなんて・・・、何かが間違っている・・・。アメリカ大使館だって、ビザが下りるまでは航空券を手配するなと言っているのに。

 最終的には、このビザ代理店に全てを丸投げ。彼ら曰く、日本人の場合、ビザは通常翌日発給だそうだが、直前に日本で学会があったため、ビザスタンプをパスポートに押してもらうに十分な時間がなく、出発予定日までにビザが手にはいるかどうか、ずっとピリピリしっぱなしだった。

 さて、パスポートを代理店に送り、彼らがサウジ領事館へ持ち込んだところまでは予定通りだったのだが、その後、いくつもの予期せぬ事態が発生。後日、パスポートを受け取りに行った代理店曰く、ビザをパスポートに印刷するための印刷機が壊れたので、パスポートの受け取りは翌日以降になると言うではないか。この時点で、当初予定していたフライトに間に合わなくなることが確定。KFUPM へメールを入れたところ、二日後のフライトを取り直してくれた。

 幸いにも、プリンターは翌日までに直ったようで、代理人がビザを山の上の研究所に向けて発送したと連絡してくれた。よしよし、と思いつつFedEx が届くのを待っていたのだが、午前中には届いているはずの荷物が、午後になっても届かない。所内の配達を請け負っている部門へ行き話を聞いたところ、FedEx の荷物はちゃんと受領したが、その後所内で行方不明になったという。フライトは明日だと言ったが、何も出来ないとのこと。翌朝7 時から開いているので、もう一度来てくれと言うのが彼らの結論だった。

 幸か不幸か、夜になり、所内のメールのトラッキング情報を見たら、どうやら、全然関係のない建物に配達されたような様子。翌日、仕方なしに、その建物まで行き、出発前に何とかパスポートとビザを手に入れることが出来た。次回からは、重要な荷物は、アパートに配達させようと心に誓ったのは言うまでもない。

ようやく出発
 Airbus A380 に初めて乗った。機内はかなり広い、というのは噂どおりだが、前後の座席の間隔もUnited のEconomy Plus くらいあった気がする(ただし、パソコンを開けるかどうかと問われれば心許ない。事実、前の人がシートを倒してしまうと窮屈きわまりなかったので)。Lufthansa の飛行機に乗ったのも初めて。おなじアライアンスとは言え、United に比べるとはるかにサービスがいい。食事の質は対して変わらなかったけれど。と言うより、まともな航空会社の中でUA とAA より酷いサービスの所はほとんど存在しないんじゃないかと言うのが正直な感想。

 

 当初の予定では、フランクフルト経由でダンマンへ向かうことになっていたのだが、航空券の際予約をしたため、行きの便は、フランクフルトからドーハを経由し、バーレーンへ行く便になっていた。バーレーンからサウジまでは車で簡単で移動可能だし、バーレーンのビザは空港で取得可能。したがって、お迎えの人に会えればあとは簡単・・・だと思っていたが、実はそうではなかった(後述)。

 バーレーンの入管に並んでいるとき、私のちょっと前の人が、どういう訳か、入国を拒否されていた。結構チェックが厳しいのかと心配してしまったが、入国に成功。ただ、バーレーンからダンマンまでバスと書かれた予約票を見た係員が、そんなバスがあるの?と同僚に聞いていたのは事実ですが。

 お迎え(大学の学生らしい)はすぐに見つかり、彼らの運転する車に乗り込む。バスはどこに?と聞いたが、どうも英語は苦手のようで、あまり意思の疎通が出来なかった。20 分くらい走行するうちに、バーレーンとサウジの国境(橋の上?)に到着したが、ここで問題が発生。バーレーンの出国は出来たが、サウジの入管で、ビザスタンプには空路を使うと書いてあるので、車での入国は認められないと一蹴された。予想外の対応に、唖然とさせられたが、もう一度バーレーンに戻り、飛行機を使って数10 km を移動するしかないというのが結論。仕方なしに、バーレーンビザを再取得し、空港のそばのホテルに一泊することに。

バーレーン市内
 図らずも、予定外の宿泊をすることになったので、少し写真を撮っておきました。

 

 ホテルにチェックインしたのは日付が変わるころ。その後、ネットでBAH-DMM の航空券を手配。本当はお昼頃のフライトがあればと思っていたのだが、朝と夕方の便しかない・・・。ホテルの人曰く、空港までは近いので7 時に出れば大丈夫でしょう、の言葉を信じ2-3 時間仮眠を取り出発。飛行時間は20 分ほどで、CA は飛行中も着席したままだった(なのに車では移動できない!)。

 10 時過ぎにダンマンの空港に到着。すぐに入国出来るだろうと思っていたら、これ間違いだった。列は決して長い訳では無かったのだが、入国審査に一人当たり5 分近く掛かっていたようで、全く前に進めない。結果的に、二時間半立ちっぱなし。腹立たしいのは、他のブースが開いていても、そこを開けようとしないばかりか、何かと理由を付けさぼっている職員がいたこと。アメリカでさえ、開いているブースがあれば、入国のカテゴリーが違っても、手続きをしてくれるというのに。結果的に、昨日迎えに来てくれた学生さん達を、今日も長時間待たせてしまいました。申し訳ないことをしたと言っても、不可抗力だったわけですが・・・。

空港から大学へ
 さすがに、一度入国してしまえばこっちの物(?)で、ダーランまでは30 分ほどで到着。学生さんが、宿泊先となる、ゲストハウスへ連れて行ってくれました。一通りの家具が揃っていたばかりか、冷蔵庫にはチーズ、卵、パン、バーターなどが入っていました。

 

 空港と大学の間には、砂漠地帯が広がっていました。でも、砂漠を連想させるほど暑くはなかったのが救い?ちなみに、大学のあるダーラン近郊に近づくにつれ、緑が増えていきます。もちろん、オイルマネーに物を言わせ(?)、人工的に育てているわけですが。

大学の構内
 大学内の建物は、基本的に砂の色をしていました。そもそも、岩が転がっていたところに建物を建てたようなので、それくらいの色の方が、自然に調和しているとも言えるかも知れません。

 

 現地の人が言うようにそれほど規模の大きな大学ではありませんが(構内の地図が無くても何とかなる)、どの建物も、外観には気を遣って建てられたような印象を持ちました。ただ、構内を移動しようとすると、そのデザインが祟ってか、回り道を余儀なくされたのも事実。学生さんは、ショートカットする術を心得ていましたが、私にとっては迷路そのものでした。

 長くなってきたので次のページへ。

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